台本
……僕は演劇部部長。
演劇には台本が必要………。だからと言って生活には台本なんて必要あるはずがない……。
───それは突然だった。
───突然周りの連中の手に……台本が握られている姿が見えた。そして周りの連中は、その台本通りに言葉を発するのだ。
「どぉもぉ〜。」
同じ、三年演劇部員の この女子の手にも、周囲の目には見えぬ台本が握られていた。もちろん、彼女もその台本通りに言葉を発する。
「や、やぁ。」
「あんた大丈夫?様子おかしいけど。」
彼女は、自分の台本に記されてる通りに口を動かす。
僕は彼女の台本に目を通した。それによると、次の言葉は「あぁ、そうですよ。」と記されてる。じゃぁどう考えてもこの言葉に結び付かない事を言ってやろう………。そしたらどうなるのだろう………。
「他の部員はどぉしたの?」
「………。」
彼女は答えなかった。どうやら僕が計算して物事を話したら、返事は返ってこないらしい。
「どぉもぉ!!!」
今部室に入ってきた彼もまた、同じ三年演劇部員。
………よし、彼で試してみよう。
僕は彼の台本を取り上げた。すると彼はたちまち無口になった。
これはおもしろい。僕はそう思い、また彼の手に台本を戻した。すると彼は口を開きだした。
「俺も部長、なりたかったなぁ………。おい!!!」
「分かってるわよ。」
「これで俺が部長になって、こいつを副部長にする。そんで俺らの目的は果たされる。」
彼は鉄パイプを取り出した。
「こ、殺さないでぇ!!!!!!!!」
「やっぱ台本はつくらなきゃなぁ………。部長、あんたの人生の台本、ちょぉっといじらせてもらったぜ。」
彼の最後の言葉。
───……ぼ、ぼくの……台本。
人の手に握られている本を見たら、ご注意を。
感想
感想はありません。
「 ララ 」の携帯小説
- 【携帯版】多賀城[たがのき]の携帯サイトが完成しました。
- PC用小説サイト新設のお知らせ
- 「携帯小説!」がスマートフォンに対応しました
- 【状況報告】03/18の管理人現況
- 【ネット復活】更新再開
- 管理人です。
- サイトの新デザインを作ってみました。