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僕と君

[332]  まぁゆ。゚+。*  2006-02-14投稿
「大和(やまと)、起きろ〜何回遅刻する気だぁ〜」
本当は起きている。僕を起こそうと必死になる君が可愛い過ぎて、意地悪したくなるんだ。
「ん〜…瀬奈(せな)先行けよ…」
小3からだっけ?君が必ず僕を迎えに来るようになったのは。8年経った今も続けるなんて粘り強いにも程があるだろ。
「クスッ………」
「んぅ?起きてるじゃん!!早く用意しなさい〜ッ!」
「眠い……」
「瀬奈だって大和起こすために早起きして眠いよぉッ!」
別に一度も頼んだ事はない。今ではそれが当たり前だからおかしな話だ。
「そんなに無理して一緒に行かなくても良いだろ…」
「むぅッ……///っ…瀬奈、一人で行くのやだもんッ」
「……そのために彼氏がいるんだろぉがッ…」
僕は君に背を向ける。そう…君には僕じゃない大切なモノがある。僕じゃない…。
「だって、修二(しゅうじ)家遠いんだもんッ…だから、は〜や〜く〜」
君は僕じゃない男の名を口にしながら僕に触れる。気がおかしくなりそうだ。この手は僕じゃない男に握られ、僕がいない時間を過ごしている。

僕のこの想いの居場所はどこにもない…。

「もしかして、大和熱とかあるッ?!」
君が優しさで僕の前髪をかきわけ、額に触れる。その瞬間、「僕」は壊れた。気が付けば僕は君の柔らかい唇を奪っていた。
「?!ッ………///…」
君の困った表情すら愛しく思える。そっと赤くなった頬に触れる。

好きだ。大好きだ…もう…隠せない。

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