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遠い人 ?

[315]  加奈  2006-02-14投稿
私、伊藤里実はいつも近所に住んでる男のコとよく遊んでた。
その人の名前は緒方広。
彼とはずっと一緒だと思ってた。
同じ歳で
同じ場所で・・・
ずっと一緒にいられると思ってたんだ。

でもある日、気がついた。
広は4歳年上で・・私はまだ10歳だった。
でも広は中学生で知らない女の人連れて遊んでた。
幼い頃は恋心なんて気がつかなかったのかも知れない。
だけど彼と女の人が仲良くしてた所見たら
なんか嫌だった。
それが恋だったんだって思った。

何度も思うようになった・・・
私は広が欲しい。
広じゃなきゃダメって。

あきらめた事もあった。
好きになるの、やめようって思った。

けどある日、あることが起こった。

それにより
4歳の年の差は思ったより近いものになった。



***遠い人***?



ある日の夕方、広が公園でうずくまってた。
私は下校中に見つけ、そばに寄ってみた。

「・・広?なにやってんの?」

「あー。里実か」

「なんか暗くない?いつもの広じゃないみたい」

「やっぱ・・?まぁな、いろいろあったから」

「いろいろって?」

すごい暗い表情で軽く笑いながら広はこう言った。

「オレ、留年になっちった」

私はその言葉に思わず顔がニヤけた。

そして思わず・・・

「やったぁ〜!!」

私は嬉しくて大声をあげた。

広はすごく唖然とした顔をしてた。

お互い正反対のまま・・夕日は暮れた。

それは広との距離が縮まること。

運命だったのかも知れない。


「お母さん♪広って留年なんだって!」

「何嬉しそうな顔してるの?やめなさい」

「だって嬉しいんだもん!高校、広がいる高校に私通うんだよ!」

中学受験。
私は広と同じ高校に行くつもりだってけど
年を考えて一緒に通うなんて無理だと思ってた。

だからこそ、せめて広が行った高校に行こうとバカな私は頑張ってるんだ。

「まだ受験終わってないでしょ?バカなこと言ってないの」

「受かるよ!!だって私頑張るもん」

1月の冬。
春にはもうすぐだけど

私にはとっても長い、春までの日。










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