暇の潰し方16
「…日下部。」
彼女の名を、静かに呟く。
何故?
「日下部!」
彼女の名を、叫ぶ。焦っている。
何故?
「…日下部!!」
三度目。最大限の声量で叫ぶ。
俺に背を向ける彼女は、振り返らず離れて行く。
そして、突然消えた。
「…!?」
目を覚ますと、そこは俺の部屋。
動悸が治まらない。なんだ?今のは?
何故俺が日下部佳奈理を呼び続けるのか。
何故彼女は消えてしまうのか。
「…どーいう夢だよ、全く。」
らしくもなく、独り言を呟き、時計を見た。
午前八時。
「…やっべ!」
寝過ごしてしまった。
急いで支度をして、家を出る頃には、夢の事なんて忘れていた。
なんとか遅刻せずに学校には辿り着いた。
疲れた。何か摂取したい。具体的には糖分。
そういえば日下部が和菓子を奢ってくれる事になっていたな。
ちょっと話しづらいが、行ってみるか。
「よう。」
「ギリギリの登校お疲れ様です。」
日下部は笑顔で俺を見上げる。
「あ、今日は和菓子屋さんやってました、行きますか?」
「しかし、本当に奢ってくれるのか?」
奢りでなくても俺は行くぞ。
「はい、ただ今日は久々に二人で行動です。」
流石に二人分奢るお金はありません、と付け足した。
高崎美玖は、そんなに和菓子に執着心はないので行かないそうだ。
「せいぜい食べて肥えなさい。」
「俺は燃費が悪いんでな。長持ちしないんだ。」
「…嫌味だわ。」
そういえばミクはダイエット中だったか。たいして太くもないのに。
「…ヒロ、あんたカナちゃんの事気にかけてなさいよ。」
「ん?」
「昨日、コンビニ出た辺りからかしら。ちょっと様子が違ったから。」
俺の様子がおかしいなら分かるが、日下部が?
「気にかけろ、て言ったってなぁ?」
どうしろと言うのだ。
実際、日下部の様子はいつもと違わないように見える。
一日中、日下部の行動を見ていたが特に目立つことはなかった。
「でわでわ、行きましょうか。」
「だな。」
俺と日下部は並んで学校を出た。
本当に久々の二人行動だ。
「…。」
「…。」
今日は二人とも沈黙を続けている。
以前なら、日下部が無茶な発言をして、俺が咎めるといった会話が延々続いていた。
「…昨日の続き、話しましょうか。」
店へちょうど半分くらいの所で、日下部は口を開いた。
「私の日常の話。」
彼女の名を、静かに呟く。
何故?
「日下部!」
彼女の名を、叫ぶ。焦っている。
何故?
「…日下部!!」
三度目。最大限の声量で叫ぶ。
俺に背を向ける彼女は、振り返らず離れて行く。
そして、突然消えた。
「…!?」
目を覚ますと、そこは俺の部屋。
動悸が治まらない。なんだ?今のは?
何故俺が日下部佳奈理を呼び続けるのか。
何故彼女は消えてしまうのか。
「…どーいう夢だよ、全く。」
らしくもなく、独り言を呟き、時計を見た。
午前八時。
「…やっべ!」
寝過ごしてしまった。
急いで支度をして、家を出る頃には、夢の事なんて忘れていた。
なんとか遅刻せずに学校には辿り着いた。
疲れた。何か摂取したい。具体的には糖分。
そういえば日下部が和菓子を奢ってくれる事になっていたな。
ちょっと話しづらいが、行ってみるか。
「よう。」
「ギリギリの登校お疲れ様です。」
日下部は笑顔で俺を見上げる。
「あ、今日は和菓子屋さんやってました、行きますか?」
「しかし、本当に奢ってくれるのか?」
奢りでなくても俺は行くぞ。
「はい、ただ今日は久々に二人で行動です。」
流石に二人分奢るお金はありません、と付け足した。
高崎美玖は、そんなに和菓子に執着心はないので行かないそうだ。
「せいぜい食べて肥えなさい。」
「俺は燃費が悪いんでな。長持ちしないんだ。」
「…嫌味だわ。」
そういえばミクはダイエット中だったか。たいして太くもないのに。
「…ヒロ、あんたカナちゃんの事気にかけてなさいよ。」
「ん?」
「昨日、コンビニ出た辺りからかしら。ちょっと様子が違ったから。」
俺の様子がおかしいなら分かるが、日下部が?
「気にかけろ、て言ったってなぁ?」
どうしろと言うのだ。
実際、日下部の様子はいつもと違わないように見える。
一日中、日下部の行動を見ていたが特に目立つことはなかった。
「でわでわ、行きましょうか。」
「だな。」
俺と日下部は並んで学校を出た。
本当に久々の二人行動だ。
「…。」
「…。」
今日は二人とも沈黙を続けている。
以前なら、日下部が無茶な発言をして、俺が咎めるといった会話が延々続いていた。
「…昨日の続き、話しましょうか。」
店へちょうど半分くらいの所で、日下部は口を開いた。
「私の日常の話。」
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