携帯小説!(PC版)

明日の天気

[189]  黒猫  2007-05-03投稿
晴れた金曜日
家庭に戻ると告げられた

ずいぶん前から
覚悟が出来てたはずなのに
あたしは泣いて
あなたにすがる

そうすれば
別れが延びると
知っているから

ただ延びるだけと
知っているから


日曜日のあなたを知らないあたしは
平気で涙の一粒も流す


切ない顔であたしを抱き寄せたあなたは
つぶれそうな思いがそのまま声になって
やさしく謝る

背中に手を回して
力をこめた
ふりをする
あたしの涙なんかとっくに乾いていて

ひとつのイベントが終わったように息をつく

それから
肩越しに空を見上げて
明日の天気を考えた。

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