MURASAME
邪龍?
天馬が気が付いたのは本部のベッドの上だった。記憶がで曖昧だったが、少しすると痛みとともに蘇ってきた。
「そうだ…!あの蛇にやられて…それに幸司は…?」
天馬は辺りを見回すが幸司の姿はない。その時、病室の扉が開いた。
「蔵王丸さん…」
そこには蔵王丸と咲子が立っていた。
「体のほうはどうだい?」
「半分は機械ですからね。どうにか…という感じです…それより、幸司は…」
蔵王丸が顔を背け、肩を落とした。それを見て咲子が代わりに話し始めた。
「幸司君は…意識不明の重傷でまだ目が覚めないの…」
咲子の声もどこか弱々しく感じた。
「そ…んな…」
天馬は視線を落とした。とてもじゃないが二人を見ることがが出来なかった。
「君達を襲ったのは…邪龍と呼ばれる生き物だ」
「曲妖ではないのですか…?」
「そう…邪龍は千年に一度、贄を求め姿を現す。強力な力をもち、普通の人間では歯が立たない」
蔵王丸が溜め息を吐くように言った。天馬は顔をゆっくり上げ聞いた。
「じゃあ…どうすれば…」
天馬の悲壮な顔を見て蔵王丸がゆっくり呟いた。
「かつての記録によると『龍の巫女』なる存在がいて邪龍を鎮め、退治したらしい…」
「龍の巫女…?」
蔵王丸はこっくりと頷いた。
「かつて、妖庁創設メンバーの一人である龍見真白(たつみましろ)がその龍の巫女の血をひく人物だった。だが、彼女の家系は時代とともに没落し、今ではどこにいるのかもわからない…」
二人は押し黙ってしまった。気まずい沈黙が室内に流れる。やがて、天馬が口を開いた。
「…本部の資料室を貸して下さい…」
「何をする気だい?」
天馬は傷ついた体を無理やり立ち上がらせ、言った。
「龍の巫女を見つけて…邪龍を倒します…」
「よせ、君一人で何が出来る」
「一人じゃありません…幸司は必ず目覚めます…それまでに…」
天馬の目に光が戻った。
天馬が気が付いたのは本部のベッドの上だった。記憶がで曖昧だったが、少しすると痛みとともに蘇ってきた。
「そうだ…!あの蛇にやられて…それに幸司は…?」
天馬は辺りを見回すが幸司の姿はない。その時、病室の扉が開いた。
「蔵王丸さん…」
そこには蔵王丸と咲子が立っていた。
「体のほうはどうだい?」
「半分は機械ですからね。どうにか…という感じです…それより、幸司は…」
蔵王丸が顔を背け、肩を落とした。それを見て咲子が代わりに話し始めた。
「幸司君は…意識不明の重傷でまだ目が覚めないの…」
咲子の声もどこか弱々しく感じた。
「そ…んな…」
天馬は視線を落とした。とてもじゃないが二人を見ることがが出来なかった。
「君達を襲ったのは…邪龍と呼ばれる生き物だ」
「曲妖ではないのですか…?」
「そう…邪龍は千年に一度、贄を求め姿を現す。強力な力をもち、普通の人間では歯が立たない」
蔵王丸が溜め息を吐くように言った。天馬は顔をゆっくり上げ聞いた。
「じゃあ…どうすれば…」
天馬の悲壮な顔を見て蔵王丸がゆっくり呟いた。
「かつての記録によると『龍の巫女』なる存在がいて邪龍を鎮め、退治したらしい…」
「龍の巫女…?」
蔵王丸はこっくりと頷いた。
「かつて、妖庁創設メンバーの一人である龍見真白(たつみましろ)がその龍の巫女の血をひく人物だった。だが、彼女の家系は時代とともに没落し、今ではどこにいるのかもわからない…」
二人は押し黙ってしまった。気まずい沈黙が室内に流れる。やがて、天馬が口を開いた。
「…本部の資料室を貸して下さい…」
「何をする気だい?」
天馬は傷ついた体を無理やり立ち上がらせ、言った。
「龍の巫女を見つけて…邪龍を倒します…」
「よせ、君一人で何が出来る」
「一人じゃありません…幸司は必ず目覚めます…それまでに…」
天馬の目に光が戻った。
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