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たった一つの真実 9

[166]  2007-05-04投稿
『夏 9』


宏介は 別れ際、今日の事 チエのことは勿論 高橋や若い男達の事も 絶対に理子には内緒だと念を押した。

「わかってます。今日は僕とずっと飲んでた。 でしょ」

僕がそう言うと 宏介は 目で「そう」と笑って車を降りた。

僕は一人になると過ぎた数時間の出来事を振り返りながら家に戻った。
家に帰るとお袋はすでに起きてて 日頃 出不精の僕の朝帰りを不思議な事が起こったかのように僕を見てた。

僕が起きたのは夕方。
「もしもし はじめ ですけど 宏介さん起きてますか」

「とっくに起きてるわ はじめは今どこ」

宏介は昼から理子と一緒だと言った。
何でも これから夕食を食べに行くと云う。

「はじめも来いよ 理子も逢いたいって云うてるし」

受話器の向こうから 確かに 「はじめ君もおいで」と女性の声がした。
僕は少し悩みはしたが、場所を聞いて 行く事にした。

なぜだか、僕は宏介から誘われるとワクワクしてしまう。
そう、子供の頃 仲の良かった友達といつも遊んでいた頃のように。

店に着くとすでに 宏介達は席についていた。その店は美味しいと云うので有名な鉄板焼屋で けっこう混んでいた。

「はじめ こっち こっち」

宏介は大きく僕の名を呼ぶと手を挙げ振っている。

「宏介さん 遅くなって すみません」

いいよ。宏介はそう言うと自分の横に座るように指をさす。
「理子だ。こっちははじめ。」

僕が座るとすぐに彼女を紹介してくれた。
理子は綺麗だ。本当にそう思った。恐らく この店に居る人たち全員に聞いても同じ答えだと思う。少し厚化粧だけど。
「はじめまして、理子です。いつも聞いてるよ。宏介がいつも迷惑かけてるんでしょう」

僕は笑いながら いつもお世話になってます。 と答えたが理子は宏介を睨むと あまり迷惑を掛けたら駄目よ と言った。
宏介はそれには答えず 僕にメニューを渡すと店員に 生ビールを一つ追加と軽く手を挙げながら言った。

宏介は この日あまり食欲がないと云い鉄板焼の単品をあてにビールばかり飲んでいた。
確かに宏介は 元気がなく顔色がよくなかった。

「はじめ君は何を食べる? この人は、ほっといて たくさん食べよ」


つづく。

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