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紫苑【ニ】

[306]  viola  2007-05-05投稿
時が過ぎた……

僕にはいつしか恋人が出来ていた

学生時代の知り合い。
偶然会い、何度か遊びに行き
付き合うようになっていた

しかし僕は彼女を本気で愛せなかった

僕の心の中にはまだ君がいたから…

君に出逢ってから、もう時間が経ち過ぎた。
なのに君を忘れられない

今でも君の事を想い続けている自分に気付いた


ある日、彼女は僕に別れを告げた

彼女は僕の気持ちに気付いていたのか…



その後、僕は雨の中歩いていた
気が付くと、君と出逢った公園にいた

そう、あの時の君と同じように…

そして僕はそっと瞳を閉じた



…目を開けた


そこに君がいた

夢じゃない
幻でもない

君はあの時と同じように僕に微笑みかける

僕は君に話しかけようとした

君は僕の口を塞いだ

君は去って行こうとする

僕は君に問いかけた


『君は誰なの?』

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