ナイト・オン・ドラグーン【99】話『エリス』
−『ジーク、やはりお前が最後の守護者だったか…』
あの奇妙な手応えの正体はこれだったのかと納得する。
いずれにしても、もう終わりだ。
次の一撃で終わらせる。
アインは大きく踏み込んだ。
−『これで…終わりだ!!』
−『ふふっ』
ジークが不気味に笑う。
その右腕が不自然に伸びるのを見たと思った。
が、
構わずアインは剣を突き出す。
−『…ぅっ』
剣の先端が何かを捉えた。
さっきの妙に手応えではない、人間を刺したときの……感覚。
−『エリス…?』
目の前にエリスの顔がある。
(なぜ、エリスがここにいる?)
視線を下ろす。
自分の剣が捉えているもの。
血に濡れた剣が生えている場所。
再び視線を上げる。
血の気が失せたエリスの顔。
その首に黒い手が巻き付いている。
突き飛ばしように黒い手がエリスの体を押した。
力を失い、倒れ込んでくるエリスを慌てて支える。
−『エリス!』
アインの腕からエリスがずるずると滑り落ちる。
−『ククク…最後まで使える部下だったな』
ジークが笑いながら逃げていく。
最奥の扉が音を立てて閉じる。
アインはそれを追うことすら忘れていた。
−『なぜ…わたくしは…倒れているの?ジーク団長が…わたくしを盾に?』
−『しゃべるな。傷が開く』
そう言ってる間にも、赤い染みはどんどん広がっていく。
−『あなたを反逆者だなんて…わたくしの敵だなんて、思いたくなかったわ…』
震えるエリスの手がアインの頬に触れる。
−『子供の頃のあなたは、そんな真剣な顔できなかったのに…』
−『エリス…』
−『優しくて…繊細で…どこか猛々しい。あなたのそんなところにわたくしは…』
言葉を切り、ジークが駆け込んだ扉を指差す。
−『この城の最上階…聖砂漏…』
−『聖砂漏…』
−『最後の…鍵よ。もう、あなたを止めない…わ…』
お行きなさい、とエリスが微笑んだ。
そして頬に触れていた手が力なく倒れる。
眠りに就くようにエリスは動かなくなった。
−『エリ…ス?起きろよ…くそ…なんで…なんでだよ……エリス!』
涙。
ただ、ただ…枯れるまで…
あの奇妙な手応えの正体はこれだったのかと納得する。
いずれにしても、もう終わりだ。
次の一撃で終わらせる。
アインは大きく踏み込んだ。
−『これで…終わりだ!!』
−『ふふっ』
ジークが不気味に笑う。
その右腕が不自然に伸びるのを見たと思った。
が、
構わずアインは剣を突き出す。
−『…ぅっ』
剣の先端が何かを捉えた。
さっきの妙に手応えではない、人間を刺したときの……感覚。
−『エリス…?』
目の前にエリスの顔がある。
(なぜ、エリスがここにいる?)
視線を下ろす。
自分の剣が捉えているもの。
血に濡れた剣が生えている場所。
再び視線を上げる。
血の気が失せたエリスの顔。
その首に黒い手が巻き付いている。
突き飛ばしように黒い手がエリスの体を押した。
力を失い、倒れ込んでくるエリスを慌てて支える。
−『エリス!』
アインの腕からエリスがずるずると滑り落ちる。
−『ククク…最後まで使える部下だったな』
ジークが笑いながら逃げていく。
最奥の扉が音を立てて閉じる。
アインはそれを追うことすら忘れていた。
−『なぜ…わたくしは…倒れているの?ジーク団長が…わたくしを盾に?』
−『しゃべるな。傷が開く』
そう言ってる間にも、赤い染みはどんどん広がっていく。
−『あなたを反逆者だなんて…わたくしの敵だなんて、思いたくなかったわ…』
震えるエリスの手がアインの頬に触れる。
−『子供の頃のあなたは、そんな真剣な顔できなかったのに…』
−『エリス…』
−『優しくて…繊細で…どこか猛々しい。あなたのそんなところにわたくしは…』
言葉を切り、ジークが駆け込んだ扉を指差す。
−『この城の最上階…聖砂漏…』
−『聖砂漏…』
−『最後の…鍵よ。もう、あなたを止めない…わ…』
お行きなさい、とエリスが微笑んだ。
そして頬に触れていた手が力なく倒れる。
眠りに就くようにエリスは動かなくなった。
−『エリ…ス?起きろよ…くそ…なんで…なんでだよ……エリス!』
涙。
ただ、ただ…枯れるまで…
感想
- 7013: 感動しました [2011-01-16]
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