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紫苑【三】

[291]  viola  2007-05-07投稿
君は何も言わず少し悲しげな瞳で微笑み、僕に小さな紙切れを渡した

僕は紙切れに気をとられていた、

辺りを見渡すともう君の姿はどこにもなかった…



僕は君を抱き締める事が出来なかった

けれど君とキスをした

そして君から渡された小さな紙切れ


そこには「紫苑」と書いてあった


君の名前…?


僕は、それから「紫苑」という名前の人物を捜し、その名前に関係するものを調べた

そして心の中で「紫苑」と何度も呟いた…


そんなある日、僕は仕事の帰りに連れと呑みに行った

帰り、少し酔ったのか
見知らぬ商店街を一人で歩いていた

もう時間が遅いせいか、どの店も閉まっていて静だ

すると商店街の中に一つ明かりがついている小さな店があった

僕は看板を見てその場に固まった…


「紫苑」


まさかと思いながら
僕はその店に入った…

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