某国某所にある廃墟の街…更にその一角にある小さなビル。おそらく会議室と思われる一部屋に、十人の男女が集められた。皆一様に黒いスーツとサングラスを身に纏い、互いに距離をとり、言葉を発する者は誰もいない…
しばらくして突然、部屋の前方にある巨大なスクリーンが起動した。
映し出されたのは…ウサギのぬいぐるみ。
｢よく集まってくれた…親愛なる暗殺者諸君よ…私が君たちの雇い主“ムラサワ”だ。｣
機械で声を変えてあるのだろう、不気味な金属質の声が部屋に響いた。ぬいぐるみから発せられていると思うと更に不気味さが増した。
ムラサワを名乗るその“ぬいぐるみ”は更に続けた…
｢驚いたかね？まさか共通の雇い主を持つ同業者が九人もいるとは思っていなかったろう。｣
その時、入り口付近に立っていた金髪の男が口を開いた。
｢まぁ一人はいると思ってたぜ。ある任務で、俺が殺し損ねた標的が翌朝のニュースに出てたからな…｣
金髪の男の発言に、椅子に腰掛けていた青年が反応した。
｢なるほど…そういうことですか…｣

青年は、タバコに火を付けた。

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