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居眠り姫の起こし方7

[245]  あこん  2007-05-11投稿
昼寝を邪魔され、不機嫌の極みにいる由良に、和真はぽつぽつと語り始める。
「昨年末、あの子いろんな所の掃除手伝ってたろ。」
学校行事の大掃除の時であった。
「とにかく一生懸命でさ、なんかいいな、て見てるうちに気になっちゃって。」
「…そんな赤裸々告白聞かされてあたしはどうしろと。」
由良は細めた目の端で白木の姿を捉える。廊下で女友達と話しているようだ。
「…お前が聞いたんじゃないかよぅ。」
和真は顔を赤くして俯く。
「それを伝えてやればいいじゃない。あたしは寝る。起こしてね。」
由良は眠気が限界までくるとかなり適当な対応になる。口調まで変わってしまうので初めの頃は和真も驚いた。
「…簡単に言ってくれるな。」
そんな気楽に伝えられるなら和真は昼寝前の由良の元になど来ない。
「…頑張ってみるか。」
和真の睨む先は教室で雑談を楽しむ男子の集まり。喧嘩を売るわけではない。あわよくば混ぜてもらおうと思うだけだ。
和真は第一歩を踏み出した。

「由良、起きろ。」
和真は定規をでこピンの要領で由良の額を叩く。地味に痛い。
「…あんたはあたしに恨みがあるのか。」
まだ若干不機嫌な由良は無視して、和真は思案顔だ。
「…どしたの、和真?」
由良は額を撫でながら尋ねる。
「お前の言う通り、喋ってみた。」
「え、えぇ!?白木さんと!?」
「そんな高難度な事にいきなり挑むか!…まずは男連中とな。」
先程のグループには和真と一年次で同じクラスだった者もいたのでいくらか話しやすかった。
そもそも、見た目はいい由良と親しげな和真の事を前々から気にはしていたらしい。噂の真偽についても。
「言ってやったぜ、付き合ってるわけじゃない、と。」
男子グループが信じたかは定かでないが。
「それはそれは。」
由良はさっさと帰り支度を済ませる。
「…お前、なんか放課後くらいから冷たくない?」
「元より寝不足気味なのになかなか寝かせてくれない困った人がいてね。」
ジト目で和真を睨む由良。
「いつもより睡眠時間が足りないのに、寝かせてくれない。その理由は好きな女の子と話が出来ないから。どんな巻き込み方よこれは?」
「…すいませんでした。」
和真は躊躇なく頭を下げた。
次から相談は眠りから覚めてからにしよう、と和真は誓ったのだった。

感想

  • 7063: 私はこの話すごく好きです!! 続きがきになります(^^) [2011-01-16]
  • 7073: 作者 ありがとうございます。そう言って頂ける事が何よりも励みになります。 [2011-01-16]

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