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消えない過去第35話

[263]  ニャオ  2007-05-12投稿
その後も、何をしていいかわからないで立っていると、内勤の主任に仕事を与えられた。

灰皿洗いだ。
後は出来上がった料理をテーブルまで運ぶこと。
ホストなのにまるでウェイターのようだ。
喫茶店のバイト時代を思い出す。
現実は甘くない。
後、電話番だ。
これがたいへんだ。
店に何台もある電話に、ひっきりなしにかかってくる。
いろんなホスト宛にかかってくるのだが、名前と顔がわからない俺は電話に出ても呼びにいけない。
内勤に聞きながら、呼びに行き、店内のホストの名前と顔を一人ずつ覚えていった。
これが早く全員のホストを覚えるのに、役立った。
ダンスや音楽、大人の会話。
遠目で見ながら今日の営業が終わった。
テーブルの上のグラスや皿を厨房に運び店内の掃除をして長い一日が終わった。
すごく緊張していたせいか、ぐったり疲れた俺と真樹は、早朝の歌舞伎町を歩いて帰った。
「まあ最初はこんなもんだよな」と二人で話しながらつんとするゴミ袋の匂い中、カラスとねずみのいる歌舞伎町の道を歩いて駅に向かった。
そんな日が3,4日続いた。
ずっと立ちっぱなしで足が痛い。
そして今日、店長からあるものを渡された。
それは、二人の名前が入った名刺だった。
サラリーマンもやったことない二人が持つ、初めての名刺。
なんかうれしくなった。
「これを早く追加注文するようになれ」と、店長に言われた。
なんの意味かわからず首をかしげていると、
「どんどん外や店で配って名前を覚えてもらえということだ」と言われた。
毎日店に出勤しているのだが、店には休みがない。
年中無休だから、当然ホストも決まった休みはない。
各自、勝手に休みをとるのだ。
俺達は休むと給料がどんどん減ってしまう。
一日基本給二千円くらいだろうか。
売り上げのあるホストは売り上げの金額によって一日の給料の金額が変化するシステムだ。
後は指名料とヘルプ料だ。
売れているホストは、自由出勤で何時に出勤してもいいことになっている。
一分でも店にくれば出勤なのだ。
俺達はオープン前にきて、終わって片付けをしてから帰ることになる。
席に座り、酒を女性と飲んで給料がもらえるなんて、なんていい仕事なのだろうという思いは早々と砕け散った。

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