dis-[68]
風間「――それで、私から何を聞きたいと?」
研究員「はい――あの同調率は、はっきり言って…異常です。…我々の想定を超えています。…風間司令官、彼は一体……何かあるのではないですか?」
里山「……」
風間「私はまだ、研究局から他の全機体のコンディションの報告も、聞かされていない。フェイ――その仕事はもういい。そんなことを詮索するより、もっと他に今やるべきことがあるだろう。」
研究員「しかし司令……」
風間「いけ」
研究員「はっはい!失礼致しました!」
風間の口調はいつもと何ら変わらない。しかし風間のその身体から溢れる畏怖とした空気は、その研究員に反論の選択肢など微塵も与えなかった。研究員は明らかに一杯一杯の様子であたふたしている。そして慌ただしく礼をすると司令官室を出ていった。
里山「貴之、いいのかそれで…?麻川祐希とやら、気に掛かるだろう。上のシナリオに支障が出ると取り替えしがつかんぞ?」
風間「平気だろう。所詮、塵にすぎん。」
里山「……眼目の塵は、厄介だ。」
風間「――」
里山「フェイヴェリスの機体の件は、全て怜子くんに任せておくよ。」
副司令官里山玄はいった。
風間「あぁ」
‐‐‐
――――‐‐‐
――
あれから2日――
たったらしい。
祐希「実感ねェって……」
祐希はベットで安静にするように言い付けられていた。
病室の扉が開く。
瑞枝「そうでしょうね。気分はどう?」
そういいながら入ってきたのは瑞枝。
祐希「…またアンタか――」
瑞枝「病室で縁があるそうで、」
ツカツカと歩みを進めベットの脇に立つ。
祐希「別に気分は良いとは言えないぞ?――瑞枝、使真…アイツらは何なんだ?」
上体を起こしながら敢えて質問する。
瑞枝「説明したはずだけれど?」
祐希「あぁ“目的”はな。俺が聞きたいのはどうして使真が、ここを【神都】だと定めて来たか、だ。」
祐希は瑞枝に言い逃れはさせまいとして見やった。その様子に瑞枝も素直に問いに従う。
瑞枝「わかったわ、そうね。以前は、使真については『解っていない』そう、あなた達に言ったわ」
祐希「――」
瑞枝「けれど、確かに解っていることは少しだけあるの」
瑞枝は神妙な面持ちで言った。
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