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パラドックス

[111]  イエロー・ドック  2007-05-14投稿
僕が好きなのは
彼女の笑顔

幸せは渦中にいるときには気付けない
僕を愛してくれていた
大きな安心感
別れる時は僕が彼女の愛に疲れた時
勝手な優越感

最後に僕へ向けられた笑顔を見てからどれぐらいたったか
大きな安心感は小さな不安へ少しづつかわっていく
今にいたっては確かなバニティー

僕が好きなのは彼女の全て
気付いた頃には遅かった

嫌いなところなんて一つもない
爪を噛むくせも
すぐに泣くところも
長く会えない時の淋しそうな受話器ごしの声も

全てが愛おしい
でも
最後にくれた彼女の優しさは僕の押さえ込んでいた感情を掻き乱し
溢れる気持ちをとめどなく流れさせた
この彼女の優しさを愛おしく思えるには今の僕にはとうぶんできそうもない


もう二度と僕へ向けられる事のない彼女の笑顔
もう一度なんてわがままは言わない
せめて
思い出の中で君を一生愛させて下さい

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