ナイト・オン・ドラグーン【100】話『最後の鍵』
扉を抜けた先は上階へと続く階段が続いていた。
全力でアインとマナは駆け登る。
エリスを死なせてしまった…それも自らの手で。
胸の鼓動が激しくうっている。
今にも食い破れそうで、鋭く痛んだ。
駆け登る足の疲れも忘れ、さらに駆ける。
階段を登り上がった先に扉が現れた。
それを躊躇なく開け放つ。
この先に奴が待っている。
エリスを盾にしたあいつがっ!
『しばし、遅いではないか?』
ジークの姿を認めた瞬間、言葉を投げ掛けられた。
その言葉にアインは更なる怒りを感じた。
『ジーク貴様ぁ!エリスを…よくも…』
『ふんっ盾にしたまでよ、使える部下だった』
その皮肉が聞こえた瞬間、アインの中で太かったはずの何が音を立て切れた。
剣を抜く。
踏み込み。
構わず、剣を振り下ろした。
『ぐ…』
ジークがのけ反る。
浚に、
薙ぎ払い、振り上げ、突き刺した。
しかし、鮮血が散るのではなく、肉片が飛ぶのでなく、既に影となっているジークの体からは黒い何かが噴き出すだけだった。
『お前の負けだよ、ジーク』
『ア、アイン…きさまぁ…』
『殺すまえに言いたいこと言え』
『ふ…この期に及んで情けか?ふざけるな!』
ジークは立ち上がり、突き刺さっている剣を引き抜く。
『貴様に余の何がわかる!?、何不自由のない生活を送ってきた貴様に!!』
『なんだと…?』
『凍える地べたで寝、石などで飢えを凌いだ余の何がわかる!?』
『ジーク…お前は悲しいやつだな』
『ぇえい!なんだその目は!?貴様の父と同じような目をしよって!!』
『言いたいことは…それだけか?』
不意にジークの背後にアインは気を取られる。
大きな砂時計が刻一刻と時を刻んでいる…
『気付いたか…あれが最後の鍵だ』
ジークが砂時計へと歩みよる。
『あっおいまて!』
『貴様に殺られるなんざより、我が手中に堕ちぬ世界何ぞくれてやる』
ジークが砂時計に闇を放つ 。
砂時計に亀裂が入り、砕けた。
『貴様の正義なぞ、無意味だったということを思い知れ!悔いるがいい!』
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