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空気?

[313]  あい  2006-02-19投稿
公園に着くと彼はもう来ていて、ベンチに座っていた。あたしの姿をみつけると小さく手をあげた。
あたしは高鳴る胸を抑えて彼のとなりに座った。
しばらくの沈黙。あたしは彼に会いたいってすごく思ったけど、会って何を話そうとかは思っていなくて、何を話せばいいか分からなくて…。あたしってバカだ…。
しばらくの沈黙が続いた後…彼が口を開いた。
「なんか…違うんだよなぁ…」
「違うって…??」
「なんか…物足りない。」
「??」
「1年ずっと一緒で、きっと空気みたいな存在だったのかな…」
「…」
「今日さぁ、一日ずっとメールしなくて、来るハズないのに携帯ずっと気にして…」
「…」
「お前からメール来た時、すんげぇ嬉しかったし、ほっとした…。やっぱ…好きなんだなぁ…」
「…」
「俺から別れたいって言ったくせにめちゃめちゃ後悔した…。」
涙が出た。
同じこと考えてたんだ…って思ったら、すごく嬉しかった。好きって言葉が一番心に響いた。
「あたしも…っ…今日ずっとメール待って自分がいて…1年も毎日メールしたり、会ったり…それが当たり前じゃなくなるのがすごく怖くなった…。会いたいって…思ったの…」
しゃくりあげながら、あたしは自分の気持ちを彼に伝えた。
「すきなの…」
彼が優しくあたしを抱き締めてくれた。
「…やり直そうか。」
優しく耳元で言ってくれた言葉。その言葉で、また涙が出て来た。
「うんっ…うん…っ…もう、離したりしないで…」
「絶対離さないよ。」

あたしたちの日常が戻った。
ただ今までと違うことは、お互いが側にいてくれることに感謝することを忘れない。そんな気持ち。
「空気」みたいな存在になれるのって、結構すごいことだと思う。ただ人ってバカだからそのすごさに気付いてない。それはきっと損なことだと思う。
忘れない。
あたしの側にいてくれて、ありがとう。そんな気持ち。

感想

  • 286: いつもあいさんの小説を読ませて頂いています。空気についてはすごく安心するような物語でした。物語の二人が羨ましくもありました。  さくら [2011-01-16]
  • 302: 心に響きました!!なんか…ぅまくぃぇなぃけど,スッゴぃ大切な事がゎかったょぅな… ぁりがとぅござぃました [2011-01-16]
  • 306: この「空気」ゎ、あたしにとってすごく素直な気持ちで書くことができました。 あい [2011-01-16]

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