猫のバラクーダ?
中央にある砂場を挟んで反対側のベンチには浮浪者らしき老婆が何が入ってるのか分からないけどパンパンになってる乳母車らしき物を横に置いて座っている。時折近くにくる鳩に何か分からない物体をまいている。
弁当を食べようと蓋を外して箸を割ってご飯を口にしていたら、少し離れたブランコの影から一匹の真っ白な猫がのそのそと現れた。周りを警戒してるのか、誰か探してるのか首をゆっくりと左右に振りながら中央の砂場を目指して歩いてくる。丁度砂場のある一点で立ち止まった。そこは公園のほとんどが団地やら大木やらで日陰になっているのにその砂場のほんの小さな場所だけが日が射している所だった。その猫を見てると、まるで砂場がステージで日差しがスポットライトの様で、舞台俳優の主人公に見えた。僕はその時、この猫にバラクーダと命名した。
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