眩しい微笑み?
「映画おもしろかったねー」
僕の隣を歩いているミサキさんが僕に話しかける。
「おもしろかったですね」
僕は答える。
正直、ミサキさんがわからない。
彼女はスタイルはいいし美人だし、料理上手で子供にも優しい。
なんで彼女は僕なんかと映画を見にきたのだろうか。
僕なんかといても楽しくなんてないのに。
つい考えこんでしまい、彼女の声が聞こえなかったらしい。
「リクってば!聞いてる!?」
我にかえると彼女は頬を膨らませて、そっぽを向いていた。
「すいません、ちょっと考えごとしてまして」
「考えごと?どんな?」
まさか「なんで僕なんかをデートに誘ったんですか」とは言えない。
適当に濁して話題をかえた。
喫茶店に向かう途中、小さな影が僕の目に写った。
「あ・・・!」
小さな影から丸いモノ・・・、ボールが転がる。
「あら」
ミサキさんはそれを拾うと子供に渡した。
保育士志望で子供好きのミサキさんは本当にうれしそうだ。
ミサキさんは、
「気をつけてね」
と言うと、本当に眩しく微笑んだ。
「ありがとう、お姉さん」
子供はそう言うと小さくお辞儀をした。
その子供の手からまたボールがすべり落ちると・・・・車道へと転がった。
本当に一瞬だった。
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