MURASAME
鬼門?
幻燈斎と蔵王丸は二人を奥の院へと案内した。
本堂も暗黒に包まれた様に暗かったが、奥の院はそれ以上だった。蝋燭の光ですら眩しく感じることができる。
「なんか…さっきから変な音がしないか?」
幸司に言われ、天馬が耳をすます。
まるで、鎖でも引きずっているような音が聞こえる。
奥の院を進むにつれ、その音は段々大きくなった。
「ここだ…」
幻燈斎が立ち止まり、灯りを向ける。
灯りの先はまるで牢のようになっており中からあの音と唸り声が聞こえる。
「なんだよ…これ…!」
幸司が思わず絶句する。
そこには手足を鎖に繋がれ、もがき苦しんでいる少女の姿があった。幸司が手を伸ばすとまるで獣が威嚇するように吼えかかった。
「今から13年前、鬼門の前に一人の赤子が捨てられた。どうやって侵入されたのか分からんが我々は親を探した。しかし、幾ら探しても親は見つからなかった…やがて我は一つの可能性に気付いた…もしやこの赤子…鬼門を越えて来たのではないかということに…」
幻燈斎が嗄れた、しかしはっきりとした声で語った。蔵王丸がその様子を冷ややかに眺める。
「鬼門を越えるなど普通の人間にはできぬ。我はこやつを危険と思い、この奥の院に幽閉した…鎖で動きを制限したがまだ安心できぬ…だが、殺すことなど我の意に沿わぬ…」
幻燈斎が言い終わるか終わらないうちに幸司は羅喉を引き抜いた。
「オイ、糞ジジィ。頭下げろ!」
幸司は羅喉を振りかざし、鉄格子を斬り裂き、蹴り倒した。幻燈斎が幸司の方を向き、飛びかかろうとしたがその前に天馬が後ろから羽交い締めにして押さえつけた。
「貴様ら…何をするつもりだ!」
「気に入らねぇ」
「同感」
短く言い放つと幸司はズカズカと牢の中に入っていく。そして、少女を縛る鎖を斬り裂いた。
幻燈斎と蔵王丸は二人を奥の院へと案内した。
本堂も暗黒に包まれた様に暗かったが、奥の院はそれ以上だった。蝋燭の光ですら眩しく感じることができる。
「なんか…さっきから変な音がしないか?」
幸司に言われ、天馬が耳をすます。
まるで、鎖でも引きずっているような音が聞こえる。
奥の院を進むにつれ、その音は段々大きくなった。
「ここだ…」
幻燈斎が立ち止まり、灯りを向ける。
灯りの先はまるで牢のようになっており中からあの音と唸り声が聞こえる。
「なんだよ…これ…!」
幸司が思わず絶句する。
そこには手足を鎖に繋がれ、もがき苦しんでいる少女の姿があった。幸司が手を伸ばすとまるで獣が威嚇するように吼えかかった。
「今から13年前、鬼門の前に一人の赤子が捨てられた。どうやって侵入されたのか分からんが我々は親を探した。しかし、幾ら探しても親は見つからなかった…やがて我は一つの可能性に気付いた…もしやこの赤子…鬼門を越えて来たのではないかということに…」
幻燈斎が嗄れた、しかしはっきりとした声で語った。蔵王丸がその様子を冷ややかに眺める。
「鬼門を越えるなど普通の人間にはできぬ。我はこやつを危険と思い、この奥の院に幽閉した…鎖で動きを制限したがまだ安心できぬ…だが、殺すことなど我の意に沿わぬ…」
幻燈斎が言い終わるか終わらないうちに幸司は羅喉を引き抜いた。
「オイ、糞ジジィ。頭下げろ!」
幸司は羅喉を振りかざし、鉄格子を斬り裂き、蹴り倒した。幻燈斎が幸司の方を向き、飛びかかろうとしたがその前に天馬が後ろから羽交い締めにして押さえつけた。
「貴様ら…何をするつもりだ!」
「気に入らねぇ」
「同感」
短く言い放つと幸司はズカズカと牢の中に入っていく。そして、少女を縛る鎖を斬り裂いた。
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