航宙機動部隊第二章・32
『良いか?もし貴様の構想が破綻して、そのせいで俺達実戦部隊が犠牲になった暁にはな―将兵一人に付きお前の肉を一グラムずつ削ぎ落として、死んだ奴らへの餞にしてやる。肝に銘じて置けよ?左総長殿』
作戦立案の責任者はこの時確信しただろう。もし招からざる未来が実現した時、自分の麾下を喪失したレイモンドはこの恐るべき強制ダイエットを宣言通り課してくる事に何の躊躇いも感じはしまい、と。
拘束以上に荒っぽく解放されたクレオン=パーセフォンは、自分の尻がぎこちなく剥き出しの床面にぶつかる衝撃を感じながら、無駄のない筋肉質の後姿が、怒りに満ちた沈黙と共に身体情報認証《PII》ロック式ドアと遮音スクリーンの向こうに歩み去って行くのを見た。
そして、座ったまま意外な事を口にした。
『…感謝しますよ右総長。作戦を承認して下さったのですね』
作戦立案の責任者はこの時確信しただろう。もし招からざる未来が実現した時、自分の麾下を喪失したレイモンドはこの恐るべき強制ダイエットを宣言通り課してくる事に何の躊躇いも感じはしまい、と。
拘束以上に荒っぽく解放されたクレオン=パーセフォンは、自分の尻がぎこちなく剥き出しの床面にぶつかる衝撃を感じながら、無駄のない筋肉質の後姿が、怒りに満ちた沈黙と共に身体情報認証《PII》ロック式ドアと遮音スクリーンの向こうに歩み去って行くのを見た。
そして、座ったまま意外な事を口にした。
『…感謝しますよ右総長。作戦を承認して下さったのですね』
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