ナイト・オン・ドラグーン【105】話『解かれる封印』
聖地、女神の塔。
神々しい造りだったその塔は永年の腐朽により廃化していた。
塔の内部へと誘う、かつ巨大な扉。
その扉の前に少女を担いだ竜眼の男が立っていた。
竜眼の男が扉に手を掛けた。
バチッと光が爆発し、手を引っ込めた。
やはり、と竜眼の男は焼けた手の平を見つめる。
『ん…』
担がれていたリリーナが目を覚ます。
そして状況に気付く。
すぐ傍にあるのは竜眼の男…
『竜眼のっ…!?』
リリーナはもがくが、しっかり押さえられているため足が宙を泳ぐだけだった。
『くっ…!貴様ぁ!離せっ!!』
一喝するが、男は少しも動じない。
その視線は開かぬ扉を見つめている。
『あっ…貴様!どこを触って!?』
男が不意にリリーナを降ろす。
赤子を抱き上げ、降ろすように。
即座に離れ、距離を取って警戒するリリーナに男は扉の方へと指射す。
『…なんなんだ…?扉がどうした?』
不可解な表情を浮かべるリリーナを尻目に男は突然、大剣で扉を叩いた。
金属音が響く、同時に光が炸裂し、鋼で出来ていたはずの剣の先端が折れ、飛ぶ。
『これは…結界…しかも、かなり協力な』
そして男はリリーナを見据える。
『僕にこの結界を解けっていうのか?』
男は無言でうなづく。
(この男…だから僕をここまで連れて来たのか…)
リリーナの中で一つの疑問が消えた。
『確かに、魔導に通じる者ならたやすく解ける結界だ。この僕でもな…』
男は無言でこちらを見つめてくる。
だが、とリリーナは構える。
杖はないが魔法で闘える。
『目的を言え!この扉の先になにがある?』
構え、こちらを伺うリリーナに男は懐から黄の小さな球を取り出し見せた。
『そ、それは…ゴンザレスの核!!』
ゴンザレスは自分を庇い立てこの男に惨殺されたが、魔力によって意思を持つゴーレムに過ぎない。核を中心に体を造り直せばゴンザレスは何度でも蘇る。
しかし、核とは言わば魂のような物。
壊れてしまったらゴンザレスという人格は二度と蘇らない…
『取引か…くそっ…』
リリーナは扉へと歩み寄る。
そして、呪文を唱え出した。
神々しい造りだったその塔は永年の腐朽により廃化していた。
塔の内部へと誘う、かつ巨大な扉。
その扉の前に少女を担いだ竜眼の男が立っていた。
竜眼の男が扉に手を掛けた。
バチッと光が爆発し、手を引っ込めた。
やはり、と竜眼の男は焼けた手の平を見つめる。
『ん…』
担がれていたリリーナが目を覚ます。
そして状況に気付く。
すぐ傍にあるのは竜眼の男…
『竜眼のっ…!?』
リリーナはもがくが、しっかり押さえられているため足が宙を泳ぐだけだった。
『くっ…!貴様ぁ!離せっ!!』
一喝するが、男は少しも動じない。
その視線は開かぬ扉を見つめている。
『あっ…貴様!どこを触って!?』
男が不意にリリーナを降ろす。
赤子を抱き上げ、降ろすように。
即座に離れ、距離を取って警戒するリリーナに男は扉の方へと指射す。
『…なんなんだ…?扉がどうした?』
不可解な表情を浮かべるリリーナを尻目に男は突然、大剣で扉を叩いた。
金属音が響く、同時に光が炸裂し、鋼で出来ていたはずの剣の先端が折れ、飛ぶ。
『これは…結界…しかも、かなり協力な』
そして男はリリーナを見据える。
『僕にこの結界を解けっていうのか?』
男は無言でうなづく。
(この男…だから僕をここまで連れて来たのか…)
リリーナの中で一つの疑問が消えた。
『確かに、魔導に通じる者ならたやすく解ける結界だ。この僕でもな…』
男は無言でこちらを見つめてくる。
だが、とリリーナは構える。
杖はないが魔法で闘える。
『目的を言え!この扉の先になにがある?』
構え、こちらを伺うリリーナに男は懐から黄の小さな球を取り出し見せた。
『そ、それは…ゴンザレスの核!!』
ゴンザレスは自分を庇い立てこの男に惨殺されたが、魔力によって意思を持つゴーレムに過ぎない。核を中心に体を造り直せばゴンザレスは何度でも蘇る。
しかし、核とは言わば魂のような物。
壊れてしまったらゴンザレスという人格は二度と蘇らない…
『取引か…くそっ…』
リリーナは扉へと歩み寄る。
そして、呪文を唱え出した。
感想
- 7565: 強力だよ! あと 触覚も忘れてほしくないな [2011-01-16]
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