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ナイト・オン・ドラグーン【106】話『朱き竜』

[223]  みるく  2007-05-22投稿
『一つ…約束しろ、封印を解いたらゴンザレスの核は必ず返してもらう。』

呪文を綴る口を止め、リリーナは竜眼の男へと言葉を吐き捨てる。


男は無言でうなづく。

『…少しは喋ったらどうだ?薄気味悪いやつ…こんなとこまでさらって来て…変態か?お前…』

なんでもいいから早くしろ、と男は顎で指図してくる。

リリーナは苛立つ気持ちを抑え、再び呪文を口にした。
”守護の壁よ、道を妨げる魔の光、水に溶ける雪の如く、吹かれ消え逝く炎の如く、去りし封印その道を我に示せ”


巨大な扉は一瞬光り輝き、内側へと大きく左右に開いた。


『開いたぞ?さぁ…早く核を返せ…っておい!?』

扉が開くと同時に間髪入れず、竜眼の男は内部へと入っていった。

『あいつ!!』

リリーナもその後を追う。

内部は一直線に長く続く通路のみだった。

『待て!』


男は以外に駿足だった。

(逃げる気か!?いや、”核”なんかあいつが持っていても意味がないはずだ)

追いかけながら考えているうちに通路を抜け、広間に出た。

朽ちた噴水や、花壇がある所から中庭だとリリーナは思った。

その中庭に男の後ろ姿を見つけた。

『おい!約束は約束だ、核を返してもらおう』

男は振り向き、その左手が空を切り唸った。

こちらへ投げ付けられる核をリリーナは受け取る。

そしてまた、男は向き直った。

大切な核を投げ付けられたことにリリーナは憤怒する。

『いい加減にっ…』

言葉を切る。


そしてリリーナは竜眼の男が見据えている物体に気がついた。

蜥蜴を思わす巨体に、翼。
赤黒い鱗に覆われたその姿を。

『こんなところにドラゴンが…?』

しかし、その竜は酷く衰弱仕切っているように見えた。


竜眼の男が朱き竜に話しかけているような仕草をしていた。

感想

  • 7174: 続きがみたいです!! [2011-01-16]

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