素敵な恋の見つけ方5
「…俺が主人公なんだよな?」
余りの不遇さを嘆いたが、その言葉は溶けたアイスのように流れていく。
俺の名は片桐篤。社会勉強の為に大先輩の3メートル後ろを歩いている。
「お前があの店を知っていたとはな。」
前方を可愛い幼馴染みと歩くのは久保匠。同級生ではあるが人生の大先輩だと今は信じている。
その隣りを歩くのは間宮鈴子。久保は否定するが、間違いなく幼馴染みの間柄。
「友達に教えてもらったの。匠は?」
何故俺が離れて歩いているかというと、久保の隣りを歩こうとした所を間宮に睨まれたので、空気を読んだ結果だ。
俺ってばこんなに気の利く子なのになんで彼女出来ないんだろ。
「今の社会を生き抜くには情報が全てだからな。」
ずっと様子を見ていたが、久保はいつものオタクを代表するかのような発言を全くしていない。
口調は変わらないが、そのせいか知的にも見える。
見た目良くて性格知的、て反則だろ。
そのまま歩くと大きな通りに面した和菓子屋に着く。
「あれ?アイスじゃなかったのか?」
信号で追いついてしまったので久保に聞いてみる。
「ある男子学生の要望でな、最近流行の来ている和風氷菓子を取り入れたそうだ。小豆のアイス自体はもっと前からあるがな。」
久保は俺と間宮に聞かせるように語る。
「まぁ私は彼からここの事聞いたしね。」
「ちなみに、学校から近い、味も良い、値段も手頃、とあってうちの生徒はよく来るそうだ。」
噂くらいは聞いた気がする。
「例の男子学生は朝わざわざ遠回りをして寄ってから登校するそうだ。早朝から開いている菓子屋というのも珍しいな。」
道路を渡りきり、店に入ると上品な甘い香りが立ち込める。
「おばさーん、さくら味一つ。」
間宮がアイスを待つ間、久保に尋ねてみた。
「お前、かなり親しげじゃないか。本当に付き合ってないのか?」
「だから只の腐れ縁だと言っているだろう。」
あの、さまになっている二人を見てなんともないと思う奴はいないと思うのだが。
「疑り深い奴だな。小さな頃からの関係ならば自然とこうなるものだ。」
「うーん。」
「…納得しないか。ならば、幼馴染みを持った男を紹介してやる。話を聞いてこい。」
久保はそう言って、俺に多少保存の利く菓子を買わせた。
余りの不遇さを嘆いたが、その言葉は溶けたアイスのように流れていく。
俺の名は片桐篤。社会勉強の為に大先輩の3メートル後ろを歩いている。
「お前があの店を知っていたとはな。」
前方を可愛い幼馴染みと歩くのは久保匠。同級生ではあるが人生の大先輩だと今は信じている。
その隣りを歩くのは間宮鈴子。久保は否定するが、間違いなく幼馴染みの間柄。
「友達に教えてもらったの。匠は?」
何故俺が離れて歩いているかというと、久保の隣りを歩こうとした所を間宮に睨まれたので、空気を読んだ結果だ。
俺ってばこんなに気の利く子なのになんで彼女出来ないんだろ。
「今の社会を生き抜くには情報が全てだからな。」
ずっと様子を見ていたが、久保はいつものオタクを代表するかのような発言を全くしていない。
口調は変わらないが、そのせいか知的にも見える。
見た目良くて性格知的、て反則だろ。
そのまま歩くと大きな通りに面した和菓子屋に着く。
「あれ?アイスじゃなかったのか?」
信号で追いついてしまったので久保に聞いてみる。
「ある男子学生の要望でな、最近流行の来ている和風氷菓子を取り入れたそうだ。小豆のアイス自体はもっと前からあるがな。」
久保は俺と間宮に聞かせるように語る。
「まぁ私は彼からここの事聞いたしね。」
「ちなみに、学校から近い、味も良い、値段も手頃、とあってうちの生徒はよく来るそうだ。」
噂くらいは聞いた気がする。
「例の男子学生は朝わざわざ遠回りをして寄ってから登校するそうだ。早朝から開いている菓子屋というのも珍しいな。」
道路を渡りきり、店に入ると上品な甘い香りが立ち込める。
「おばさーん、さくら味一つ。」
間宮がアイスを待つ間、久保に尋ねてみた。
「お前、かなり親しげじゃないか。本当に付き合ってないのか?」
「だから只の腐れ縁だと言っているだろう。」
あの、さまになっている二人を見てなんともないと思う奴はいないと思うのだが。
「疑り深い奴だな。小さな頃からの関係ならば自然とこうなるものだ。」
「うーん。」
「…納得しないか。ならば、幼馴染みを持った男を紹介してやる。話を聞いてこい。」
久保はそう言って、俺に多少保存の利く菓子を買わせた。
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