素敵な恋の見つけ方6
「別シリーズのキャラを出すのってどうなのか?」
漠然と浮かんだ問いは、砂糖菓子が口の中で溶けるように消えた。
俺の名は片桐篤。あるクラスメイトの前に菓子折りを持って立っている。
「そういうわけだ笠木。こいつに幼馴染みのいる生活を説いてやってくれ。」
経緯を説明するのは頼りになるオタク、久保匠。
クラスメイトの笠木広人に久保が言った通りの事を聞きに来たのだ。
「いや、どういうわけかはよくわからんが、菓子は戴く。」
よく朝から糖分など取れるものだ。
「で、話すったってな、別に幼馴染みなんか仲のいい友達みたいなもんだぞ。」
ほらな、と久保が笑う。
後ろの方で椅子がガタガタ音を鳴らしていたが気にしないでおく。
ついでに久保は、俺が恋を探しているとか深い事情まで笠木に話し始めた。
「へぇ、そんなガツガツしなくても出来そうなのにな。」
嬉しい事を言ってくれる。
「そーいや笠木は?幼馴染みは只の友達で、彼女とかいないの?」
確か窓際の変な娘と仲が良かった気がするが。
「…あぁ、今は生きるので精一杯だ。」
聞けば週末の三日間、山の中でサバイバルをしていたそうだ。
「高校に入ってから充実しているようだな、笠木。」
「…まぁ、な。」
久保と笠木の間に入れず、俺はなんとなく手持ちぶさた。
「じゃな、久保、片桐。頑張れよ。」
と言葉を掛けてくれた笠木は、誰かに取られないようにするかの如く、残った菓子を片付けるのだった。
「ふーむ、しかし彼女を作るってのは改めて難しいようだな。」
俺は自席に着いて腕を組む。
「ん?そういやなんで笠木と仲よさげなんだお前?」
笠木はあまり社交的なイメージはないが。
「ん?中学一緒だからな。」
「先言えよ!」
重要な情報は小出しにしないで欲しい。
「まぁとにかく、幼馴染みが恋人になるのなんかエロゲ以外では滅多にあることではない。」
「話をエロゲ主体にするのやめろよ。」
どうやら久保のオタクエンジンに火が入ったようだ。
「そうだな、まずお前は彼女を作る云々よりフラグ立てから始めようか。」
「いきなり元の話に戻ったな。…フラグ?」
「うむ、定番として曲がり角でぶつかってみたり、偶然恨みを買ってしまったり、といったところか。」
久保はルーズリーフを取り出して何やら書き始めた。
放課後までに書き終わらない事を祈りたい。
漠然と浮かんだ問いは、砂糖菓子が口の中で溶けるように消えた。
俺の名は片桐篤。あるクラスメイトの前に菓子折りを持って立っている。
「そういうわけだ笠木。こいつに幼馴染みのいる生活を説いてやってくれ。」
経緯を説明するのは頼りになるオタク、久保匠。
クラスメイトの笠木広人に久保が言った通りの事を聞きに来たのだ。
「いや、どういうわけかはよくわからんが、菓子は戴く。」
よく朝から糖分など取れるものだ。
「で、話すったってな、別に幼馴染みなんか仲のいい友達みたいなもんだぞ。」
ほらな、と久保が笑う。
後ろの方で椅子がガタガタ音を鳴らしていたが気にしないでおく。
ついでに久保は、俺が恋を探しているとか深い事情まで笠木に話し始めた。
「へぇ、そんなガツガツしなくても出来そうなのにな。」
嬉しい事を言ってくれる。
「そーいや笠木は?幼馴染みは只の友達で、彼女とかいないの?」
確か窓際の変な娘と仲が良かった気がするが。
「…あぁ、今は生きるので精一杯だ。」
聞けば週末の三日間、山の中でサバイバルをしていたそうだ。
「高校に入ってから充実しているようだな、笠木。」
「…まぁ、な。」
久保と笠木の間に入れず、俺はなんとなく手持ちぶさた。
「じゃな、久保、片桐。頑張れよ。」
と言葉を掛けてくれた笠木は、誰かに取られないようにするかの如く、残った菓子を片付けるのだった。
「ふーむ、しかし彼女を作るってのは改めて難しいようだな。」
俺は自席に着いて腕を組む。
「ん?そういやなんで笠木と仲よさげなんだお前?」
笠木はあまり社交的なイメージはないが。
「ん?中学一緒だからな。」
「先言えよ!」
重要な情報は小出しにしないで欲しい。
「まぁとにかく、幼馴染みが恋人になるのなんかエロゲ以外では滅多にあることではない。」
「話をエロゲ主体にするのやめろよ。」
どうやら久保のオタクエンジンに火が入ったようだ。
「そうだな、まずお前は彼女を作る云々よりフラグ立てから始めようか。」
「いきなり元の話に戻ったな。…フラグ?」
「うむ、定番として曲がり角でぶつかってみたり、偶然恨みを買ってしまったり、といったところか。」
久保はルーズリーフを取り出して何やら書き始めた。
放課後までに書き終わらない事を祈りたい。
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