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証明写真?

[652]  夜野 灯  2007-05-23投稿
裕貴は下を向いたまま、震えだした。
理由を聞いても答えない。
「先輩…とりあえず続きみましょう。」
「あぁ…そうだな。」
僕はタバコに火を着け、ページをめくった。
乱雑な文字で何か描きなぐっている。
「日記じゃ無い…ですよね。」
高木が首を傾げた。確かに何かをメモしているみたいだ。
「偶然…開いた…の扉。これが…なのか?」
所々が字が重なり読めない。
【白…光…の為…】
「だめだな。意味が分からん。なぁ…分かるか?」
「すいません。俺、理数系なんで文系はちょっと」
消しては描き、書いては消し。しかし、何かを掴んだには間違いないようだ。
とりあえず先を見てみる。
【5月17日】
明日…実際に実験してみる事にする。噂は噂だとは思うが、少し怖い。
でも…本当に見えるなら覗いてみたい。
もし、予想通りの結果でもそうでなくても、あれをすれば…一応は安心だろう。


ここで日記は終わっていた。
「…お兄さんが亡くなったのはいつだったかな?」
裕貴は小さな声で答えたがよく聞こえなかった。
すると、隣りから震えた声で高木が答えた。
「21日だったっすよ」
「それは本当か?」
「葬式にも出たんで…間違い無いです…」
どういう事だ?3日後…これは偶然なのか?
それとも…
テーブルの空気が重くなる。誰も言葉を発しなかった。


【♪♪〜♪♪♪〜♪…】
重い空気の中で携帯が鳴り響いた。一瞬、心臓が止まるかと思った。
【♪…♪♪…】
この着うたは俺のじゃないし。誰のだ?
「…もしもし…お母さん?今から帰るよ。」
裕貴の携帯だった。
「遠野さん、すいません。もう家に帰らないと」
「もうそんな時間か。」「裕貴、日記帳忘れてるよ。」
「遠野さんが持っててください。」
「俺が?いいの?」
「はい。僕が持っていても」

感想

  • 7163: 面白いからダッシュでかいてね [2011-01-16]

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