素敵な恋の見つけ方7
「男ばっかでムサいなぁ。」
比較しての感想は、誰の耳に入ることもなく虚しく響く。
俺の名は片桐篤。恋愛という難題に行き詰まった高校一年生だ。
さらに言うと窮地に立たされている気がする。
「まぁ俺に任せておけ。ドラマチックな恋の始まりを予感させてやる。」
隣りで何かを書いたルーズリーフの束を確認するように読むオタクは久保匠。
俺のフラグを立てるとかで朝からずっと何かを書いていた。その束は30枚を超えそうだ。
「ではこの緻密な作戦を簡単に説明しよう。」
「あぁ、適当に頼む。」
もう最初からあまり当てにしていない。
「曲がり角で出合い頭にぶつかるんだ。」
「…。」
「…。」
「え?続きは?」
「これが全てだが。」「その束はなんだ!一枚に一文字か、あぁ!?」
久保が持っている紙束をはたき落とす。自然とその全容が見えるのだが。
…なんだこの複雑な計算式は。
「女子にぶつかる確率、フラグが立つ確率、消化できる確率等を総合したものだ。」
そんなものが計算で出せるのか。
「只どうしてもゼロに近い数値が入る為にかなりの低確率だが、他の案よりはまだましだ。」
「…なんか非常に不名誉な事言われそうだからそこは追及しないがな、そんな安易でいいのか?」
久保は俺を睨み付け、自信たっぷりの口調で話す。
「お前は生涯、女子と事故的にぶつかったことはあるか?」
「いや、ねーけど。」
「そう、実は滅多にそんな事はない!」
「普通に考えてもないぞー。」
「だからこそ、正面衝突はインパクトがある。実際に衝撃もある。」
下らない事を言わんでくれ。反応に困る。
「怪我でもさせてみろ、お見舞いフラグが立つではないか!」
「やかましい!」
怪我させたら後ろめたくて会話もできん。
「というわけで行くぞ。」
「え?いや、俺に拒否権は無し?」
「大丈夫、俺の計画は完璧だ。」
襟を掴まれてズルズルと引っ張られる俺。
「ま、待て!偶然を装ってぶつかるのはいいが」
実の所良くないが、
「どこでやるつもりだ?うちの学校の廊下、果てしなく真直ぐだろ。」
「案ずるな。階段付近に曲がり角というものは自然発生する。」
待て。本気で待て。
「危険だろそれは!」
階段は危険だ。下手をすれば死ぬ。
俺はまだ前科持ちになりたくない。いや、まだとかじゃなくずっと。
「せめて転んでも安全な所で!」
比較しての感想は、誰の耳に入ることもなく虚しく響く。
俺の名は片桐篤。恋愛という難題に行き詰まった高校一年生だ。
さらに言うと窮地に立たされている気がする。
「まぁ俺に任せておけ。ドラマチックな恋の始まりを予感させてやる。」
隣りで何かを書いたルーズリーフの束を確認するように読むオタクは久保匠。
俺のフラグを立てるとかで朝からずっと何かを書いていた。その束は30枚を超えそうだ。
「ではこの緻密な作戦を簡単に説明しよう。」
「あぁ、適当に頼む。」
もう最初からあまり当てにしていない。
「曲がり角で出合い頭にぶつかるんだ。」
「…。」
「…。」
「え?続きは?」
「これが全てだが。」「その束はなんだ!一枚に一文字か、あぁ!?」
久保が持っている紙束をはたき落とす。自然とその全容が見えるのだが。
…なんだこの複雑な計算式は。
「女子にぶつかる確率、フラグが立つ確率、消化できる確率等を総合したものだ。」
そんなものが計算で出せるのか。
「只どうしてもゼロに近い数値が入る為にかなりの低確率だが、他の案よりはまだましだ。」
「…なんか非常に不名誉な事言われそうだからそこは追及しないがな、そんな安易でいいのか?」
久保は俺を睨み付け、自信たっぷりの口調で話す。
「お前は生涯、女子と事故的にぶつかったことはあるか?」
「いや、ねーけど。」
「そう、実は滅多にそんな事はない!」
「普通に考えてもないぞー。」
「だからこそ、正面衝突はインパクトがある。実際に衝撃もある。」
下らない事を言わんでくれ。反応に困る。
「怪我でもさせてみろ、お見舞いフラグが立つではないか!」
「やかましい!」
怪我させたら後ろめたくて会話もできん。
「というわけで行くぞ。」
「え?いや、俺に拒否権は無し?」
「大丈夫、俺の計画は完璧だ。」
襟を掴まれてズルズルと引っ張られる俺。
「ま、待て!偶然を装ってぶつかるのはいいが」
実の所良くないが、
「どこでやるつもりだ?うちの学校の廊下、果てしなく真直ぐだろ。」
「案ずるな。階段付近に曲がり角というものは自然発生する。」
待て。本気で待て。
「危険だろそれは!」
階段は危険だ。下手をすれば死ぬ。
俺はまだ前科持ちになりたくない。いや、まだとかじゃなくずっと。
「せめて転んでも安全な所で!」
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