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証明写真?

[777]  夜野 灯  2007-05-26投稿
一通りの取材を終えて、僕達は店を出た。
「なぁ。実際に話を聞いてどう思った?」
「ん…どうなんですかね?でも、あいつが死んだのは、事実ですよ。」
高木はそう言ってタバコに火をつけた。
「先輩。今日はもう遅いんで帰りますね。」
「そうだな。今日はありがとう。今度、飯でも……嫌なんでもない。」
高木に飯を奢ったらいくらになるか分からない。僕は言葉を飲み込んだ。
「先輩。なんか分かったら教えてくださいね。俺も少し調べてみますよ。」
「あぁ。じゃあ、またな。」
とりあえず予想外の一日が終わった。
でも、これが高木と会う最後の日になるなんて、その時は考えて無かった。

【さて、家に帰るか。】
僕は駅に向かって歩いた。いくら考えても、今日の事は信じられる事では無い。
でも、現実に【何か】は起こっている。
電車に乗り、駅に着くまでの間、また日記を読み返す事にした。

いくら読み返しても、肝心の所で終わってしまう。もし…きちんと書いていてくれたら。

【ガタンゴトン。】
電車の揺れで眠くなる。その時だった。
【ドン!】
誰かがぶつかった。
「すいません。」
見ると小学生が立ち上がって頭を下げている。
「いいよ。ケガしなかった?」
「はい。でも…ノートが」
【ノート?】
自分の膝のあたりを見ると、ノートと膝あたりに土が積もっている。
なんで、土が?
「すいません。カブトムシの籠がひっくり返えって」
「カブトムシは大丈夫?」
「少し土に埋もれたけど、大丈夫です。」
俺も人がいいって言うか、まわりが気になって怒る気にもなれなかった。
駅に着き、ノートについた土をゴミ箱に捨てた。
【預かり物なのに。ハァ…】
ノートについた土を払う。白いノートが茶色くなってしまった。

「あれ?何か書いてある。」
土がノートの溝に入り、うっすらとだが、字が浮き出ている。
多分、上に書いた字が跡に残りそれが現われたのだろう。
【あれ?前のページとなんか違うぞ。】
ノートに浮き出て字が薄く読みにくい。
鉛筆で薄く上から塗ると少しだが読みやすくなった。
【この現象は…の偶然と…進化と普及によって起こされた。誰かに知らせないと危険だ。その為には、証拠が……自分…】
これ以上は読み取れない。やはり何かを掴んでいたみたいだ。

感想

  • 7189: 早く、早く書いてください! [2011-01-16]

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