教授のXファイル?
「実は…バケモノが出たというのは…間違いなんです。」
「は、はい!?」
「実はですね、今度村の仕事夏祭りで、仮装大会があるんですが、村の若者2人が林の中で肩車の練習をしていたところ、木につけてあったハンモックが2人の頭上に落ちてきたんですね。それで、前が見えなくなってふらふらしているうちに道に出てしまって、そこを見られたんです。ずいぶん古いハンモックでしたから、そこかしこからほつれた糸が出ていて、それを見てバケモノの体毛と勘違いしたんでしょう。なにせそのときは夜でしたから。」
「じゃあ、俺らの仕事は…。」
「わざわざ来ていただいたのに、もうしわけありません。お詫びといっちゃなんですが、謝礼にと思って用意していたものです。どうぞ。」
村長が差し出したのは、鳩サブレの形がなまはげの顔になっているものだった。鳩サブレは嫌いではないが、現金を期待していた俺には、なんだかなまはげの表情が哀しく見えた。
村を出てバス停に来てみると、まだ昼の2時なのに、なんと最終バスがもう出てしまっていた。暖房がない村の建物で寝れば冷え症が悪化しそうだし、野宿なんて論外である。
村には車が一台もなかったうえに携帯は圏外。タクシーも呼べない。
「歩くしかないみたいですね。遠足みたいでいいじゃないですか。おやつもあるし♪」
健康オタクの峰崎が鳩サブレをかじりながらうれしそうに言う。心がズタズタの今の俺にとっては、10キロはシルクロードのように長く感じられた…。
ビッグフット編 終
「は、はい!?」
「実はですね、今度村の仕事夏祭りで、仮装大会があるんですが、村の若者2人が林の中で肩車の練習をしていたところ、木につけてあったハンモックが2人の頭上に落ちてきたんですね。それで、前が見えなくなってふらふらしているうちに道に出てしまって、そこを見られたんです。ずいぶん古いハンモックでしたから、そこかしこからほつれた糸が出ていて、それを見てバケモノの体毛と勘違いしたんでしょう。なにせそのときは夜でしたから。」
「じゃあ、俺らの仕事は…。」
「わざわざ来ていただいたのに、もうしわけありません。お詫びといっちゃなんですが、謝礼にと思って用意していたものです。どうぞ。」
村長が差し出したのは、鳩サブレの形がなまはげの顔になっているものだった。鳩サブレは嫌いではないが、現金を期待していた俺には、なんだかなまはげの表情が哀しく見えた。
村を出てバス停に来てみると、まだ昼の2時なのに、なんと最終バスがもう出てしまっていた。暖房がない村の建物で寝れば冷え症が悪化しそうだし、野宿なんて論外である。
村には車が一台もなかったうえに携帯は圏外。タクシーも呼べない。
「歩くしかないみたいですね。遠足みたいでいいじゃないですか。おやつもあるし♪」
健康オタクの峰崎が鳩サブレをかじりながらうれしそうに言う。心がズタズタの今の俺にとっては、10キロはシルクロードのように長く感じられた…。
ビッグフット編 終
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