もう恋はしない(21)
「あの時の水城ちゃん、すっげぇ目立ってたんだよね。一年なのにダンクシュート決めまくるし。女の子なのに、すっごい憧れた☆」
さっきのしんみりとした雰囲気は何処へ消えたのかと思うほど、今の彼は目をキラキラさせて語る。
ベンチで茶髪を揺らして笑う彼の隣で、何だか照れ臭く感じた。
男の子にそーゆー事言われたの初めてなんですけど…。
もちろん、あの日以来男子と会話する事が殆んどなかったのもあるんだけど。
「けど、気になっちゃってさ。こんなに輝いてる娘が、あの日、一人で立ち尽くしてた理由が」
また笑顔が消え、代わりに歯を食い縛ってる様にも見える。
「でも、今日わかった。あの男が吐いた言葉…。だから許せなくて…!」
「…水嶋君」
彼の拳が震えてるのに気が付いて、そっと手を当て呟いた。
「ありがとう、水嶋君」
ただ嬉しくて、この言葉しか思いつかなかったんだ。
「あ…」
水嶋君が視線を落とす。
急にどうしたのかと思ったら、肩にかかっていた彼の愛用であろうヘッドフォンを凝視…。
右耳の方が欠けてしまっている。
あ、ちょっと落ち込んでるよ(苦笑い)
「ちょっと待ってて!」
私は彼を公園に残して走り出していた。
さっきのしんみりとした雰囲気は何処へ消えたのかと思うほど、今の彼は目をキラキラさせて語る。
ベンチで茶髪を揺らして笑う彼の隣で、何だか照れ臭く感じた。
男の子にそーゆー事言われたの初めてなんですけど…。
もちろん、あの日以来男子と会話する事が殆んどなかったのもあるんだけど。
「けど、気になっちゃってさ。こんなに輝いてる娘が、あの日、一人で立ち尽くしてた理由が」
また笑顔が消え、代わりに歯を食い縛ってる様にも見える。
「でも、今日わかった。あの男が吐いた言葉…。だから許せなくて…!」
「…水嶋君」
彼の拳が震えてるのに気が付いて、そっと手を当て呟いた。
「ありがとう、水嶋君」
ただ嬉しくて、この言葉しか思いつかなかったんだ。
「あ…」
水嶋君が視線を落とす。
急にどうしたのかと思ったら、肩にかかっていた彼の愛用であろうヘッドフォンを凝視…。
右耳の方が欠けてしまっている。
あ、ちょっと落ち込んでるよ(苦笑い)
「ちょっと待ってて!」
私は彼を公園に残して走り出していた。
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