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ゆりかご「初恋編?」

[334]  露伴  2007-05-28投稿
「誰!?」
俺は恐怖のあまり大声で叫んだ。
もしかしたら、見間違いかもしれない。
「そ、そうだ、昔の事だろ・・。」
そう自分に言いきかせ、夕飯を食べずにベッドに寝転んだ。
そうでもしなければ落ち着かない。不安だった。
「優君、怖いよ・・。ドアが閉まらないよ・・。」
「優君、怖いよ・・。窓が開かない・・。」
「いやぁ!!ぎぃぃ、ご・・ぁぁぁ・・。」
「ひぃ!!?」
酷い夢だった。
俺はただ、このみが無残な姿になるのを見ているだけだった。
このみは俺を見つめながら叫んでいた、助けを求めて。
俺はどこにいたんだ?どこから見てたんだ?やった奴の姿は?
俺はそばにいた。正面にこのみがいたんだ。だれが殺した?
俺か?ほかに誰がいる?全部夢だ、いい夢も見れば悪い夢も見る。
「俺じゃない・・、このみは俺が守るさ・・。」
今日は休み、図書館で例の事件を調べることにした俺は図書館へ向かった。
「あれれ?優君なにしてんの?」
「皐月か、こんな所で会うなんて珍しいな。」
「ちょっとね〜、どこ行くの?」
「あぁ、今から図書館に行くんだよ。」
「図書館?そんな所行くなんて珍しいね。」
「なかなか用事は無いからね。」
「ひょっとして、事件のこと?」
「いや、違うよ。親に本を借りてきてくれって頼まれてたんだよ。」
とっさに嘘をついてしまった、なんだか馬鹿にされる気がして。
「へぇ、じゃあもう行くから、じゃあね〜。」
「ああ、じゃあな。」
しまった、親は留守なのを皐月は知ってるんだった。
大丈夫、きっと忘れてる・・。
そして図書館に着き、事件について調べた結果、いくつか明らかになった。
殺された主婦、警官以外に被害者らしき人が数名いたようだ。
その人たちは共通して『幻覚』『幻聴』などを訴え精神病と判断された。
しかもその人たちは謎の『自殺』を遂げている。
いったい犯人はその人たちに何をしたのだろう、直接命を狙ったようには思えない。
殺すならもっと簡単に殺せたはず・・。
「そろそろ閉めますよー。」
気づけば閉館の時刻だ、すっかり俺は夢中になっていた。
「そうだ・・、夕飯買っていかないと・・。駅前にしかコンビニないんだよな。」
「今日もコンビニ・・。お弁当に野菜ジュースも買ったね・・。だめだよ・・。」

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