眩しい微笑み?
あのあとミサキさんは熱を出してしまった。あの雨の中、ずっと立っていたのだから当然だ。
熱で寝込むミサキさんを僕は毎日見舞いに行った。
「大丈夫ですかー?」
ベットに横たわるミサキさんに声をかける。
返事はなく、少し荒い呼吸をしていた。
寝ているらしい。
いったい僕は何をしているんだろう。
ミサキさんにはきっと大好きな人がいて、僕など嫌いなはずなのに。
前々から「決まって」いたことをあらためて考える。
じゃあ、なんで僕は毎日ここに来てるんだ?心配だから?なんで?というか女性の部屋で二人っきりとか危険じゃないのか?
僕はミサキさんが苦手というはずだろう?
今日は、もう帰ろう。そう思い、おかゆだけ作って部屋を出る時だった。
「ん・・・」
小さなうめき声が聞こえた。
ミサキさんが起きたようだ。
「んっ・・・つっっ」
しかし様子がおかしい。まるでうなされているみたいな・・・。
「ミサキさん?」
僕はミサキさんのもとに駆け寄った。
「・・・っっ」
ミサキさんの閉じた目から涙が一筋流れた。いったいどんな夢を見ているのだろうか。
「ミサキさん?大丈夫ですよ」
優しく声をかけて髪をなでる。
安心したのかミサキさんの目からまた涙がこぼれた。
ミサキさんが僕を嫌いでも、ここに来ようと思った。
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