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nothing world

[334]  メロ  2006-02-24投稿
この世界のどこでもない場所に彼はいた。

彼の存在を知る者はなく、当然、彼の名を呼ぶ者もなかった。

この世界から脱した、果てなき空間は彼の姿を浮き彫りにする。
彼はこの残酷な場所で自らをこう呼んだ。
『誰でもない人』

彼は自らに名前を付けることを禁じた。

誰でもない誰かは、いつか自分に自分だけの名を呼んでくれるであろう人を待つ。

ただ祈り。
ただ信じ。
ただ待って。


漆黒の髪の青年の名は、
『誰でもない人』

彼はもうすぐ見つける。

たとえ、それがどんな結果を迎えるとしても。
彼は掴む。
ただ一つ。
唯一の存在を…



この孤独はもうすぐ終わる。


どんなエピローグを迎えても…

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