悲しみの空?
『ウォォッ!!』
正気にもどった父さんが男に猛然と殴り掛かった。
しかし、父さんの拳が男の顔面を捉えることはなかった。父さんは拳を振り上げたまま固まっている。その時父さんの周りを淡い黄緑色の何かが包んだ。
『くっくるっしぃ…一体何だ!?』
『アナタが殴ろうとするからですよ…そうだチャンスをあげましょう。イルくんを引き渡してください。あと能力の詳細を。そしたらイリーナ様共々命を助けてあげましょう。』
『…わかった。』
『えっ!?』
父さんの返答に僕と母さんは愕然とした。
『イルの能力は〜〜』
本当に父さんは洗いざらい話した。
『なるほど!!素晴らしい。人間の感情に直接作用するなんて!!この5年間でこんな能力初めてです!!』
『全部話した…だから命だけは…』
この時の父さんの顔は酷かった。
『助けません!!イリーナ様共々死になさい。』
『話が違うじゃないか!!』
驚いたのは父さんだけだった…
必死に食い下がる父さんとは違って、母さんは覚悟を決めていたようだった。
母さんは僕の手を握り、優しく語りかけた。
『母さんだけはイルの味方だから…』
涙が止まらなかった…
『殺れ。』
そう男が言うと。父さんがまた淡い黄緑色の何かに包まれた。
そして次は母さんも…
激しい叫び、そして大量の吐血、母さんは倒れ込んだ。
しかし、僕には何も起こらなかった。
『かあさん!!』
叫んだ時にはもう遅かった…
僕のすぐ隣で、母さんは苦痛に歪んだ顔のまま絶命していた。
衣服がボロボロで、皮膚も所々ただれていて僕には何が起こったか全くわからなかった。
『お前も死ぬか?』
不意に背後から声がして、慌てて振り返ると青い瞳の少年だった。
『何を言っているんだクロウ!!』
男が吠えた。
少年は男を睨みつけた。すると男はカタカタ震えだし、遂には立てなくなってしまった。
僕は直感的にこの少年が母さんを殺したのだと悟った。
『…今ならお母さんと一緒だぞ?死ぬか?』
そう言って少年は僕に掌を向けた。
これが彼なりの償いなんだと思った。でも!!
『…ない。死にたくない。死にたくない!!』
母さんの敵を前に、その時の僕は復讐しか頭になかった。
そして僕は男と青い瞳の少年の所属している組織へと入った。
涙ももう枯れてしまった…
正気にもどった父さんが男に猛然と殴り掛かった。
しかし、父さんの拳が男の顔面を捉えることはなかった。父さんは拳を振り上げたまま固まっている。その時父さんの周りを淡い黄緑色の何かが包んだ。
『くっくるっしぃ…一体何だ!?』
『アナタが殴ろうとするからですよ…そうだチャンスをあげましょう。イルくんを引き渡してください。あと能力の詳細を。そしたらイリーナ様共々命を助けてあげましょう。』
『…わかった。』
『えっ!?』
父さんの返答に僕と母さんは愕然とした。
『イルの能力は〜〜』
本当に父さんは洗いざらい話した。
『なるほど!!素晴らしい。人間の感情に直接作用するなんて!!この5年間でこんな能力初めてです!!』
『全部話した…だから命だけは…』
この時の父さんの顔は酷かった。
『助けません!!イリーナ様共々死になさい。』
『話が違うじゃないか!!』
驚いたのは父さんだけだった…
必死に食い下がる父さんとは違って、母さんは覚悟を決めていたようだった。
母さんは僕の手を握り、優しく語りかけた。
『母さんだけはイルの味方だから…』
涙が止まらなかった…
『殺れ。』
そう男が言うと。父さんがまた淡い黄緑色の何かに包まれた。
そして次は母さんも…
激しい叫び、そして大量の吐血、母さんは倒れ込んだ。
しかし、僕には何も起こらなかった。
『かあさん!!』
叫んだ時にはもう遅かった…
僕のすぐ隣で、母さんは苦痛に歪んだ顔のまま絶命していた。
衣服がボロボロで、皮膚も所々ただれていて僕には何が起こったか全くわからなかった。
『お前も死ぬか?』
不意に背後から声がして、慌てて振り返ると青い瞳の少年だった。
『何を言っているんだクロウ!!』
男が吠えた。
少年は男を睨みつけた。すると男はカタカタ震えだし、遂には立てなくなってしまった。
僕は直感的にこの少年が母さんを殺したのだと悟った。
『…今ならお母さんと一緒だぞ?死ぬか?』
そう言って少年は僕に掌を向けた。
これが彼なりの償いなんだと思った。でも!!
『…ない。死にたくない。死にたくない!!』
母さんの敵を前に、その時の僕は復讐しか頭になかった。
そして僕は男と青い瞳の少年の所属している組織へと入った。
涙ももう枯れてしまった…
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