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夜とあなたとあたしの匂い?

[285]  かなこ  2007-05-30投稿
 さっきまで白い色を広げていた空は、いつの間にか灰色に変わっていた。手のひらと頬に冷たいものが落ちてくる。ここ数日は天気が良かったのに、今日に限って雪になった。あたしは空と向かい合うように顔を上げ、雪を浴びる。空の一体どこから雪は降りてくるのだろう、いつ見ても答えが出ないことを、またふと考えていた。雪は止みそうにもない。


 あたしの中でカウントダウンが始まった。あと3分で今日最後の授業が終わる。黒板の少し上に掛けてある時計をちらちら見やる。クラスメートの何人か、いや、ほぼ全員の頭も同様に時計を見上げる動作を繰り返していた。いつもと変わらない光景だったが、あたしにとって、今日のカウントダウンは特別長い3分だった。
 「終わったね。」先生が教室を出ていくと、隣の亜矢が溜め息まじりに言った。「今日長かったぁ。」 そう言って、少し離れた席から早紀が寄ってくる。「ホント。」あたしも一言共感する。ちょっと遅れて、「今夜楽しみだね!」今度は後ろから麻衣子の弾んだ声がして、その一瞬で4人は笑顔になった。
 合コンっていうと何となく言葉の響きが悪いから、と言って、亜矢は自分主催の飲み会を“親睦会”と呼んでいた。「じゃ、7時にミスド前ね。」そう約束して4人は学校を出た。
 “合コン”と“親睦会”…何も変わりはないし、どちらでも良かったけれど、今日は“親睦会”らしい。そう、今日はあたしにとって初めての“親睦会”。
 まだ雪は止みそうにもない。

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