素敵な恋の見つけ方17
「この部分、いらないかもな。」
改めて思う。
俺の名は片桐篤。変人二人に連れられてファーストフード店の前までやってきた所だ。
「チーズのセットな。」
と、俺に金を渡すのが変人その1久保匠。
「てりやきー。」
更に金を渡すのが変人その2日下部佳奈理。
二人は俺を行列に並ばせ、さっさと二階の食事席に上がってしまった。
分担としてはいいが、話し合いぐらいしようよ。
そんな時、背後から聞き慣れた声が聞こえた。
「じゃ和真、よろしく。」
振り返ってみると宇崎由良が二階に上がっていく所だった。
そして、俺の後ろに並んだのは若干暗い顔の和真先輩。凶悪フェイスはいつもの通り。
「ん?片桐か。」
あちらから気付いたようで、声を掛けてくれる。
俺の名前は由良先輩から聞いたりしたのだろう。
「どもっす。デートですか?」
その言葉に和真先輩の落ち込みオーラが何割か増す。
「…は、ははは。由良とはそんなじゃないよ。…昼食一回で恋愛相談一回、だそうでな。」
大変だ。和真先輩がなんか泣きそうだ。
「…デートに誘えぬまま、バレー部が合宿に入ってしまうし、由良が提示した未来像が現実になりかねん。」
コメントは控えて、俺は黙って列に並ぶ。
世間の誰もが恋の悩みはあるみたいだな。
三人分の食事を持って二階に上がると、窓際に由良先輩を確認。
近付くような愚かな行為はしない。多少機嫌が良さげだからってそれが長続きするとは限らない。
見渡せば、反対側の奥の席に久保達がいた。近くなくてよかった。
「…じゃあな片桐。」
「って!怖いですって!」
気配を消して立たないで欲しい。
「どよんとしたオーラも隠してください。マジで恐いです。」
「お前、いろいろと正直だな。…まぁ由良の手前、装うさ。殴られちまう。」
苦笑とともに和真先輩は窓際の席に近付いていった。何やら親近感が湧いたな。
さて、俺も連れの元にでも…。
「違う違う、ここはこうだ。」
「え?こう、ですか?」
変人ズはテーブルに備え付けられた紙ナプキンで折り紙をしていた。作品でテーブルが埋もれる位。
えっと、他人のフリ他人のフリ…。
こっそり離れた席に座ろうとすれば、目敏く久保が俺を見つける。
「おい片桐どこへ行く。お前の席はここだ。」
「そうですよ、そして不切正方形一枚折りを極めましょう。」
窓際の方がまだマシだったかもしれん。
改めて思う。
俺の名は片桐篤。変人二人に連れられてファーストフード店の前までやってきた所だ。
「チーズのセットな。」
と、俺に金を渡すのが変人その1久保匠。
「てりやきー。」
更に金を渡すのが変人その2日下部佳奈理。
二人は俺を行列に並ばせ、さっさと二階の食事席に上がってしまった。
分担としてはいいが、話し合いぐらいしようよ。
そんな時、背後から聞き慣れた声が聞こえた。
「じゃ和真、よろしく。」
振り返ってみると宇崎由良が二階に上がっていく所だった。
そして、俺の後ろに並んだのは若干暗い顔の和真先輩。凶悪フェイスはいつもの通り。
「ん?片桐か。」
あちらから気付いたようで、声を掛けてくれる。
俺の名前は由良先輩から聞いたりしたのだろう。
「どもっす。デートですか?」
その言葉に和真先輩の落ち込みオーラが何割か増す。
「…は、ははは。由良とはそんなじゃないよ。…昼食一回で恋愛相談一回、だそうでな。」
大変だ。和真先輩がなんか泣きそうだ。
「…デートに誘えぬまま、バレー部が合宿に入ってしまうし、由良が提示した未来像が現実になりかねん。」
コメントは控えて、俺は黙って列に並ぶ。
世間の誰もが恋の悩みはあるみたいだな。
三人分の食事を持って二階に上がると、窓際に由良先輩を確認。
近付くような愚かな行為はしない。多少機嫌が良さげだからってそれが長続きするとは限らない。
見渡せば、反対側の奥の席に久保達がいた。近くなくてよかった。
「…じゃあな片桐。」
「って!怖いですって!」
気配を消して立たないで欲しい。
「どよんとしたオーラも隠してください。マジで恐いです。」
「お前、いろいろと正直だな。…まぁ由良の手前、装うさ。殴られちまう。」
苦笑とともに和真先輩は窓際の席に近付いていった。何やら親近感が湧いたな。
さて、俺も連れの元にでも…。
「違う違う、ここはこうだ。」
「え?こう、ですか?」
変人ズはテーブルに備え付けられた紙ナプキンで折り紙をしていた。作品でテーブルが埋もれる位。
えっと、他人のフリ他人のフリ…。
こっそり離れた席に座ろうとすれば、目敏く久保が俺を見つける。
「おい片桐どこへ行く。お前の席はここだ。」
「そうですよ、そして不切正方形一枚折りを極めましょう。」
窓際の方がまだマシだったかもしれん。
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