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夕暮れの日に〜機械の町〜その1

[342]  グレイブ  2007-06-01投稿
この国に
人はいないのだろうか。

目につく建物の窓は全て開け放たれているのに。人の影はひとつもない。

「・・・イラッシャイマセ、旅人サマ」

どうやらこの国では、全てを機械が行っているようだ。

「入国申請ヲ、シテクダサイ。」

何から何まで機械。
・・・道端の掃除さえも。


「人間が・・・一人。ペットが・・・一匹、と」


「カシコマリマシタ、オトオリクダサイ」

派手な音をたてて、入口の門が開いた。


「トト、ペットはないんじゃない?俺はこんなに大きいのに・・・」

猫とライオンを足して二で割ったような、僕の従者
とても可愛いやつだ。
「たまにはいいんじゃない?ラト。こういうのもさ。」

「フンッ、指差したやつがいたら食い殺してやる。」


「ハハハッ、果たして君にそんな事ができるのかな。」

ラトは鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまった。

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