MURASAME
鬼門?
「生憎だが俺は幸司と違ってロリコンじゃないんでね。とっとと失せな」
けたたましく笑い続ける瑪瑙(めのう)を尻目に天馬が言った。
「ふ〜ん小さいのは嫌いなんだ…」
瑪瑙は首を傾げながら天馬に近づき、その顔を見つめた。
「じゃぁ、これならどう?」
瑪瑙の姿が闇に消える。天馬が周辺りを見回すがどこにも姿を確認することができない。
闇の中に笑い声がこだました。
「おちょくってもなんもでねぇぞ…出てきやがれ」
天馬が声を跳ね上げる。するとぴたりと笑い声が止んだ。
「あら…意外とせっかちなのね…」
後ろから声が聞こえる。だがその声は少女のものではなく大人の女性のような声だった。
天馬が飛び退くように後ろを振り向いた。
闇から姿を現したのはさっきの少女でははなかった。
すらりと伸びた長い等身、日本画のモデルのように美しい目鼻立ち、はだけた着物が艶やかで妖しい雰囲気を醸し出していた。
だが天馬の目にはさっきの少女と面影が重なって見えた。
「女の成長は早いって…この場合は違うかな…」
「ふふ…小さいのは嫌いなんでしょ、ちょうどいいんじゃなくて?」
成長した瑪瑙がひらりと舞い、静かに妖笑を浮かべる。
「二つ質問がある。お前は誰だ。もう一つは可王っての何者だ」
「私は言霊使い…言霊は名だけでなく体も、心すら操ることができる」
天馬の前で瑪瑙が光に包まれる。
「だからーこうやって大人にも子供にもなれちゃうの。もう何年もこうして生きてるのよ〜」
再び子供に戻った瑪瑙が明るく笑う。
「でもね…」
瑪瑙の体が闇に溶ける。再び現れた彼女は大人の姿だった。「もう生きることに疲れたの。私は幾つ年を重ねても死なない…暇で暇でしょうがなかったわ…」
「そんな時…あの人に出会った…あの人は言ったわ。私を殺してくれるって」
瑪瑙が妖しく笑う。天馬は腕を振ると剣に変えた。
「そんなに死にたきゃ…今殺してやるよ」
「生憎だが俺は幸司と違ってロリコンじゃないんでね。とっとと失せな」
けたたましく笑い続ける瑪瑙(めのう)を尻目に天馬が言った。
「ふ〜ん小さいのは嫌いなんだ…」
瑪瑙は首を傾げながら天馬に近づき、その顔を見つめた。
「じゃぁ、これならどう?」
瑪瑙の姿が闇に消える。天馬が周辺りを見回すがどこにも姿を確認することができない。
闇の中に笑い声がこだました。
「おちょくってもなんもでねぇぞ…出てきやがれ」
天馬が声を跳ね上げる。するとぴたりと笑い声が止んだ。
「あら…意外とせっかちなのね…」
後ろから声が聞こえる。だがその声は少女のものではなく大人の女性のような声だった。
天馬が飛び退くように後ろを振り向いた。
闇から姿を現したのはさっきの少女でははなかった。
すらりと伸びた長い等身、日本画のモデルのように美しい目鼻立ち、はだけた着物が艶やかで妖しい雰囲気を醸し出していた。
だが天馬の目にはさっきの少女と面影が重なって見えた。
「女の成長は早いって…この場合は違うかな…」
「ふふ…小さいのは嫌いなんでしょ、ちょうどいいんじゃなくて?」
成長した瑪瑙がひらりと舞い、静かに妖笑を浮かべる。
「二つ質問がある。お前は誰だ。もう一つは可王っての何者だ」
「私は言霊使い…言霊は名だけでなく体も、心すら操ることができる」
天馬の前で瑪瑙が光に包まれる。
「だからーこうやって大人にも子供にもなれちゃうの。もう何年もこうして生きてるのよ〜」
再び子供に戻った瑪瑙が明るく笑う。
「でもね…」
瑪瑙の体が闇に溶ける。再び現れた彼女は大人の姿だった。「もう生きることに疲れたの。私は幾つ年を重ねても死なない…暇で暇でしょうがなかったわ…」
「そんな時…あの人に出会った…あの人は言ったわ。私を殺してくれるって」
瑪瑙が妖しく笑う。天馬は腕を振ると剣に変えた。
「そんなに死にたきゃ…今殺してやるよ」
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