素敵な恋の見つけ方21
「まさか恋愛ものへ移行?」
いいえ、ノンジャンルですとも。
俺の名は片桐篤。人生初の告白…に近いものを受けて、軽く動転している高校一年生だ。
夏期講習も終わり、やっと夏休みを堪能出来る、という時に我が家に来訪者が。
「夏を楽しんでいるか若者よ。」
よくわからないことを言いながらやってきたのは久保匠。夏は忙しいとか言いながら結構俺と会う事が多い。
それでもってオタク。
「そろそろ俺も戦地へ赴くのでな、別れを言いに来たのだ。」
「…戦地てどこだよ。」
「有明だ。」
「…?まぁいいや、なんか飲むか?」
リクエストに沿うものがあったので階下から持って来てやった。…それにしてもなぜ我が家にガラナが?
「ガラナもなかなか奥が深くてな、今では道外でも様々な種類がある。」
久保はガラナのうんちくを語りながら黒褐色の炭酸飲料を呷る。ぶっちゃけどうでもいい。
「お前はその豆知識を語る為にうちまで来たのか。」
「豆ではない。ガラナは果実だ。」
「心底どうでもいい!」
俺が言いたいのはそういうことでもない。
「何を、しに来たんだ?」
「…片桐。」
「なんだよ。」
「俺は何しに来たんだ?」
「知るか!」
長期休みに関わらず疲れる奴だ。
「ふぅ、では行くとするか。」
「どこに?」
「有明。」
直行ですか、ここから。
「あと片桐、フラグが立ってるようならちゃんと消化しろよ。」
…バレてるのだろうか。
「俺は新学期ギリギリまで帰って来るつもりも無いからな。しっかりやれ。」
こうして、頼もしいオタクは旅立った。餞別としてガラナを持って。
「いや、いらんだろ。」
「まぁ十中八九空港で没収されそうだな、ペットボトルは。」
それでも持って、我が家を後にした。
「…さて、寝るか。」
ベッドに倒れ込む寸前に携帯が鳴る。重力には勝てず、一度倒れてから起き上がる。
画面を見ずに通話を押す。
『寝るな、即座に行け。』
「…久保、お前俺ん家にカメラとか仕掛けてないよな?」
ついでに俺自身に盗聴機とか。
『お前の事なら手にとるようにわかる。あと、要未優の口振りからの推測だが、外れでもないようだな。』
お前はすごいよ。鈍感と言われる事は無いだろうよ。
『行かなければ後悔するぞ。田辺和真の二の舞いだぞ。』
それは和真先輩に失礼だが。
「…わかったよ。」
電話を切った。
いいえ、ノンジャンルですとも。
俺の名は片桐篤。人生初の告白…に近いものを受けて、軽く動転している高校一年生だ。
夏期講習も終わり、やっと夏休みを堪能出来る、という時に我が家に来訪者が。
「夏を楽しんでいるか若者よ。」
よくわからないことを言いながらやってきたのは久保匠。夏は忙しいとか言いながら結構俺と会う事が多い。
それでもってオタク。
「そろそろ俺も戦地へ赴くのでな、別れを言いに来たのだ。」
「…戦地てどこだよ。」
「有明だ。」
「…?まぁいいや、なんか飲むか?」
リクエストに沿うものがあったので階下から持って来てやった。…それにしてもなぜ我が家にガラナが?
「ガラナもなかなか奥が深くてな、今では道外でも様々な種類がある。」
久保はガラナのうんちくを語りながら黒褐色の炭酸飲料を呷る。ぶっちゃけどうでもいい。
「お前はその豆知識を語る為にうちまで来たのか。」
「豆ではない。ガラナは果実だ。」
「心底どうでもいい!」
俺が言いたいのはそういうことでもない。
「何を、しに来たんだ?」
「…片桐。」
「なんだよ。」
「俺は何しに来たんだ?」
「知るか!」
長期休みに関わらず疲れる奴だ。
「ふぅ、では行くとするか。」
「どこに?」
「有明。」
直行ですか、ここから。
「あと片桐、フラグが立ってるようならちゃんと消化しろよ。」
…バレてるのだろうか。
「俺は新学期ギリギリまで帰って来るつもりも無いからな。しっかりやれ。」
こうして、頼もしいオタクは旅立った。餞別としてガラナを持って。
「いや、いらんだろ。」
「まぁ十中八九空港で没収されそうだな、ペットボトルは。」
それでも持って、我が家を後にした。
「…さて、寝るか。」
ベッドに倒れ込む寸前に携帯が鳴る。重力には勝てず、一度倒れてから起き上がる。
画面を見ずに通話を押す。
『寝るな、即座に行け。』
「…久保、お前俺ん家にカメラとか仕掛けてないよな?」
ついでに俺自身に盗聴機とか。
『お前の事なら手にとるようにわかる。あと、要未優の口振りからの推測だが、外れでもないようだな。』
お前はすごいよ。鈍感と言われる事は無いだろうよ。
『行かなければ後悔するぞ。田辺和真の二の舞いだぞ。』
それは和真先輩に失礼だが。
「…わかったよ。」
電話を切った。
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