恋愛譚3
年が明け、オフィスはまだまだ正月ムードが抜けきらず、あちこちで雑談の輪が出てきていた。私はなんとなく村山のチームの輪の中にいた。「で、皐月はどうなったの?金沢の彼と」私の1年先輩の下柳が聞いてきた。下柳は女の子のようなソフトな印象で、話しやすく、何かと恋愛事を相談していた。「んー、クリスマスプレゼントも用意して、酔った勢いでどうにかなるかなって思ったけど普通にホテルに帰されちゃった」「オマエ、よっぽど色気ないのな」それまで話の輪の隅で資料に目を通していた村山が素っ気なく言い放った。「ヒドイ!これでも報道時代はファンがいっぱいいたんですから!」実際、報道には私のファンは社内外に複数いた。我ながら上手くかわし、かつ、惹き付けていたと思う。しかし村山は「報道の女レベル低いんだよ」と切り捨てた。「まぁまぁ、村山さんが相手にしてる女の子はみんな大人の女性ってやつだから、皐月じゃ勝負にならないよ」下柳が場を納めようと割って入った。「下柳さん、私、失恋したんだから合コン開いてください」「えーっ、ほら、皐月は報道でモテるんでしょ?報道に頼みなよ」下柳はあからさまに面倒くさそうにしている。「俺が開いてやろうか?」村山が資料から目をあげた。「ただし、カワイイ子集めろよ」「大丈夫です!私の友達みんな美人だし!」「じゃあ、携帯とメール教えて」
その後私と村山は携帯番号とメールを交換したものの、連絡をとることはなかった。四月になり、桜が舞い散る頃、自分の手持ちの飯友を使いきった私はふと村山にメールをしてみようと思った。村山の意地悪な物言いが頭の中をよぎり、イジられている自分を想像して、ふっと笑いがあふれでた。「飯友の男の子はチヤホヤするばっかりでつまんないし、暇つぶしに誘ってみるか」誘いのメールにはすぐに返事がきた。「お?乗ってきたじゃん。ちょっとからかってやるか」この時の私は村山をはめてやるつもりでいた。
その後私と村山は携帯番号とメールを交換したものの、連絡をとることはなかった。四月になり、桜が舞い散る頃、自分の手持ちの飯友を使いきった私はふと村山にメールをしてみようと思った。村山の意地悪な物言いが頭の中をよぎり、イジられている自分を想像して、ふっと笑いがあふれでた。「飯友の男の子はチヤホヤするばっかりでつまんないし、暇つぶしに誘ってみるか」誘いのメールにはすぐに返事がきた。「お?乗ってきたじゃん。ちょっとからかってやるか」この時の私は村山をはめてやるつもりでいた。
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