踏切
それは、日常の事であり見慣れた電車からの光景だった。窓から外を眺め何気なく見ていると通過して行く踏切に眼がいく、一瞬だか俯き加減で立つ少女の姿が見えた。「ん?」少女の姿に疑問がよぎった。「待てよ…」踏切の音が微かに聞こえて来て、また一瞬で踏切を通過して行く時、疑問が解けた。俯き加減の少女が立っていたのだった。始めは気にならなかったのだが、通過して行く踏切に同じ少女が立っているのに気がついた。「なんだこれ?」と思い、次の踏切を待った。するとやはり立っているのが見えた、夢なのかと疑うが確かに同じ少女がどの踏切を通過しても立っているのだ。自分にしか見えてないらしい、踏切に立つ少女に異変が現れた、それは俯き加減の頭が少しづつ上がって来てるのがわかった。心が恐怖感に襲われ始め、見てはいけないと悟ったが、気持ちとは逆に眼を反らす事が出来ない。少女の顔が少しづつ見え、恐怖が全身にとり憑き、汗がとまらない…「早く駅に着いてくれ!」心で願うが駅まではまだ少し時間はかかる、「踏切の数はもうそんなにないはずだ…」踏切の少女の顔は上がってきている。身体が死を感じ始めているのか鼓動が速くなる「眼が合えば、死ぬのか…」無意識に頭によぎった。そう思った時、電車が止まりドアが開いた。電車を降りる人達に押され駅に降り立った。「助かったぁ…」一言つぶやくと力が抜けその場に座り込んでしまった。そんな俺の姿を見つけた駅員が駆け付け声をかけてくれた。俺は踏切の事を話そうかと思ったが、変人扱いされたらと感じ、「大丈夫です」と一言伝えベンチに腰掛け少し休む事にした。
ホームに吹く風が気持ちを少し落ち着かせてくれる、「疲れのせいか…」などと自分に言い聞かせ人のいないホームを後にしようと立ち上がると、シャツの一部が何かにひっかかった気がした。
ん?と思い眼をやると小さな手が見えた「まさか?」鼓動が大きく聞こえはじめる、汗がふたたびあふれだした。小さい手を追って眼を向けて行くとそこには踏切の少女がいたのだ。恐怖で身体も動かない、声も出ない、震えが止まらない…少女の顔は綺麗な顔立ちであり恐怖を覚えた眼は大きく綺麗な眼をしていた、そして小さな口が開き一言「独りで淋しいかったの…」と
駅のベンチに座ったまま動かない男を駅員が摩って声をかけたが男の魂はもうそこにはなく、死に顔は安らかな顔だった…
ホームに吹く風が気持ちを少し落ち着かせてくれる、「疲れのせいか…」などと自分に言い聞かせ人のいないホームを後にしようと立ち上がると、シャツの一部が何かにひっかかった気がした。
ん?と思い眼をやると小さな手が見えた「まさか?」鼓動が大きく聞こえはじめる、汗がふたたびあふれだした。小さい手を追って眼を向けて行くとそこには踏切の少女がいたのだ。恐怖で身体も動かない、声も出ない、震えが止まらない…少女の顔は綺麗な顔立ちであり恐怖を覚えた眼は大きく綺麗な眼をしていた、そして小さな口が開き一言「独りで淋しいかったの…」と
駅のベンチに座ったまま動かない男を駅員が摩って声をかけたが男の魂はもうそこにはなく、死に顔は安らかな顔だった…
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