黒い天使 白い悪魔 ?
「おーいルイ!早くしろよー!今日は大事な日だぞー」
「ご、ごめん!もうちょっと待って!」
今日は大事な日。そう。
「天の日」と呼ばれている。僕ら天使が翼を授かる日。
天使は10歳で初めて翼を貰い、初めて天に向かって飛び立つ。だから、「天の日」
喜ばしい日
のハズ。
なのに…
『クルド・ウェスキル』
「はい!」
次々と翼を貰う仲間たち。
その翼は白すぎて、輝きすぎていて。
僕にはちょっと、眩しすぎた。
真っ白っていうのも、なんかつまらない。
『ルイ・カストゥルーデ』
「はい」
壇上に上がって、天からの光を浴びる。
「……?」
何かが包み込む。
今まで感じた事が無かった。
酷く興奮する。それでいて、ひやりと冷たい。
でも、詰まっていた喉が息をしやすくなった。
そんな感覚。
目を開ける。
(アレ?何も見えない…)
この天界で、見えぬ物などあるはずがない。
背中の不思議な感覚。本能のままに筋肉、骨が動く。
「あ…れ……?」
漆黒の翼
天使にあるまじき色
「あれ?…あれ!?えぇ!!?何でッ!?何でぇッ!?」
当惑。混乱。恐怖。
「キャアァアアア!!!」
悲鳴。
「ルイ・カストゥルーデ…いつから…そなたは闇に喰われたのだ?」
「そんな…僕にも何でか…」
「何故悪魔の翼をお前が持っている?」
「わ…解りません。ただ、僕は…」
「この天界に黒い翼等いらぬ。連れ出せ。」
どやどやと武器を持った兵士がやって来る。
「そんな…!僕は何も」
ガシャッ
問答無用の手錠。
「魔界へ。其処ならお前の同胞が大勢居る」
下される追放令。
「違う!僕は悪魔じゃないッ!待って下さい!!」
暗い世界に放り出される。
何も見えない…
怖い…
助けて!
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