夜とあなたとあたしの匂い?
あたしの斜め前にあなたが座った。親睦会が始まって20分ほど経った頃、あなたは少し遅れてやってきた。仕事帰りだったのだろう。雪をかぶった黒いコートの下には、スーツにネクタイのあなたがいた。あなたが近づくと、外のひんやりとした空気の残りが、あたしの火照った頬に触れて心地良い。
あなたがあたしの斜め前に座って、それからはもうダメだった。亜矢たちの会話も全く覚えていないのに、あなたがグラスに触れる指先や、笑う時に細くなる目、あたしに話しかける声や、あなたの匂い、あなたの全てはすごく鮮明に覚えてる。すごく不思議なくらい、あなたに惹かれいくのが分かった。
あなたの目の中にあたしが映っていることが嬉しくて、あたしを映してくれることが嬉しくて、あたしはあなたの目が好きになった。
あなたと出会った夜、雪が止むことはなかった。
「佳世。」
初めてあなたに呼ばれた名前も、雪の降る静かな夜に優しく響いて、また心地良い。あんなに温かい雪の夜は初めてだった。
もうそろそろ2月3日が終わろうとしていた。
あなたがあたしの斜め前に座って、それからはもうダメだった。亜矢たちの会話も全く覚えていないのに、あなたがグラスに触れる指先や、笑う時に細くなる目、あたしに話しかける声や、あなたの匂い、あなたの全てはすごく鮮明に覚えてる。すごく不思議なくらい、あなたに惹かれいくのが分かった。
あなたの目の中にあたしが映っていることが嬉しくて、あたしを映してくれることが嬉しくて、あたしはあなたの目が好きになった。
あなたと出会った夜、雪が止むことはなかった。
「佳世。」
初めてあなたに呼ばれた名前も、雪の降る静かな夜に優しく響いて、また心地良い。あんなに温かい雪の夜は初めてだった。
もうそろそろ2月3日が終わろうとしていた。
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