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ナイト・オン・ドラグーン【墜ちる竜】話

[186]  みるく  2007-06-04投稿
『くそ、なんて速さなんだ!』

顔に叩きつけてくる風をアインは腕で庇う。


『異常な速さだ…我を忘れ、暴走しておるからな…』

レグナが面白くなさそうに呟く。

朱き竜の姿は完全に見失ったのだが、吐き出された炎によって煙りが上がっている場所を辿って行った。

『焼き尽くす気だな…全てを…』

『それほど…憎しみが深いのであろうな』


レグナは更に飛行速度を上げた。

『馬鹿が…人に心を許すからだ…』

皮肉に言うレグナだが、その音色は悲しげにも聞こえた。


『で、どうするのだ…?小僧』

『止めるさ!』


『敵を生かして無力化させるのは、殺す事の何倍も難しいぞ?』


確かに、とアインは言葉が詰まる。

『先程、”声”を拾った…』

『声…誰からだ?』


『レオンからだ…アデルを倒せとな』


『え!?そんな事したら…女神の封印が解けるんだろ!?朱き竜が生きているおかげで…』

皆まで言わせずレグナが口を挟む。


『どちらにしても世界は崩壊するぞ?朱き竜が大地を焼き尽くし続けている限り…』


でも、と口ごもった時だった。

レグナの横を朱き影が通り抜けた。

『ぬっ!?』


『朱き竜!!』


レグナは急な方向転換し全身を捻る。


『聞こえるか!!朱き竜!!』

届かないも承知でアインは叫ぶ。

徐々に朱き竜との距離を縮める。

『あなたがした事は偉大だ!俺達人間は、あなたに救われた!』


『だが、今あなたのしていることはただの破壊だ。人を愛したあなただからこそ自らを犠牲になれたんだろう!?』


−黙れ!!!



朱き竜がこちらへと炎を吐き出された。

『小癪な!!』

舌打ちをし、レグナが飛び上がり避けた。

応戦し、レグナが炎を連続で吐き出す。

翼に被弾し、動きを止めたその背中に火炎の爆発が突き刺さった。

『レグナ!?もうよ…』

最後の一撃をレグナが吐き出した所だった。


朱き竜が墜ちてゆく…

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