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らぶふぁんとむ3

[207]  あこん  2007-06-04投稿
恵一はとりあえず、現状の確認をすることにした。
目の前の珠希は幽霊。
珠希は恵一に惚れている。
死因は転落。
今日は土曜日。
「おぉ、土曜日だ。」
「そうですね、全国的にサタデーです。」
しばし、沈黙が続く。
「…土曜に何かあるんですか小野瀬くん?」
「いや、取り立てて何も無かった。」
とりあえず空腹を覚えていた恵一は食事にすることにした。
「ふむ、卵はこれで最後か。買い物に行かなくちゃな。」
冷蔵庫から卵二個を掴んで広くないキッチンに立つ。
「小野瀬くん、料理出来るんですか?」
「そりゃ、一人暮らしだし。」
恵一は一人実家を離れ、このワンルームに暮らしている。
「あ、宮田も食うか?オムレツ半分こにでもして?」
「あ、いらないですよ、お腹減りませんし。」
その言葉を聞いて、恵一は改めて認識する。
宮田珠希は幽霊であると。
「えっと、ごめん。」
恵一は調理もそこそこに珠希に頭を下げた。
「わぁ、やめてください、小野瀬くん何も悪くないです。」
珠希は恵一の腕を取り…取ろうと何度も掴み掛かるが一切触れる事は無い。
恵一としても、冷たくも温かくもない妙な感覚があるだけである。
「嘘!?昨日は上に乗れたのに!」
夜が明ければ触れる事すら出来ない。
「えい!えい!」
珠希はヤケクソ気味に腕を振る。
「えい!…あ、当たった。」
かと思えば、渾身の力を込めた腕は恵一の肩に思い切り当たった。
「いてぇ!超いてぇ!」
「わー、ごめんなさい!まだ感覚に慣れてなくて!」
「あーぁ、痣になってるし。」
手首を掴まれた跡が残る、などの話を思い出す。
「ううぅ、死んでお詫びを!」
「死ぬ事は詫びにならんし、大体宮田は死んでるだろ。」
あぁそうでした、と珠希は手を叩く。
とにかく、恵一は遅い朝食を済まし、この後について珠希と話す事にした。
「で?どうするつもりだ?我が家に取り憑くのか?」
「このアパートよりは小野瀬くんに憑きたい気分ですが。」
「やめぃ!」
恵一としては、幽霊とは言え女性の珠希と一緒、というのは避けたかった。しかし、幽霊とは言え女性を外に追い出すのも気がひける。
そんな時、恵一の携帯電話が着信を知らせた。

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