ヤス#58
ヤス#58
【母の愛】
ヤスはメキメキ成長していった。背丈も父を追い越し、幼い頃からの労働と、十歳から始めた剣道で、筋肉も隆々としてきた。
母の具合が芳しくない。気候が良いときは表に出て仕事こなしているが、冬になると臥している事が多くなっていた。
歳はこの春で三六になる。縁側で繕いものをしていた。
「母さん、具合はいいの?」
「ああ…帰ったの?具合はすこぶる良いわ…ヤス、お茶を飲むでしょう?」
「あ、良いよ。母さん、自分で出来るから」
ヤスは湯のみ茶碗を二つ盆に載せて縁側に座った。湯のみを差し出すと、純子はそれを嬉しそうに飲んだ。
「父さんと爺ちゃんは刺し網かな?」
「うん。さっき出たところだわ。夕方には戻るでしょうね」
「最近、漁に行ってないな…」
「そうね…剣道とお勉強が忙しいからね…ヤス、耳あかを取ってあげるわ」
「えっ…うん…久しぶりだね」
「ほら…お母さんのここに頭を載せて」
純子はさいほう箱から耳カキを取り出しながら、嬉しそうに微笑んだ。
久しぶりの母の太ももだった。ヤスはシットが現れた夜を忘れられなかった。
風呂場で母に抱きしめられ、愛していると言われた。
【母の愛】
ヤスはメキメキ成長していった。背丈も父を追い越し、幼い頃からの労働と、十歳から始めた剣道で、筋肉も隆々としてきた。
母の具合が芳しくない。気候が良いときは表に出て仕事こなしているが、冬になると臥している事が多くなっていた。
歳はこの春で三六になる。縁側で繕いものをしていた。
「母さん、具合はいいの?」
「ああ…帰ったの?具合はすこぶる良いわ…ヤス、お茶を飲むでしょう?」
「あ、良いよ。母さん、自分で出来るから」
ヤスは湯のみ茶碗を二つ盆に載せて縁側に座った。湯のみを差し出すと、純子はそれを嬉しそうに飲んだ。
「父さんと爺ちゃんは刺し網かな?」
「うん。さっき出たところだわ。夕方には戻るでしょうね」
「最近、漁に行ってないな…」
「そうね…剣道とお勉強が忙しいからね…ヤス、耳あかを取ってあげるわ」
「えっ…うん…久しぶりだね」
「ほら…お母さんのここに頭を載せて」
純子はさいほう箱から耳カキを取り出しながら、嬉しそうに微笑んだ。
久しぶりの母の太ももだった。ヤスはシットが現れた夜を忘れられなかった。
風呂場で母に抱きしめられ、愛していると言われた。
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