黒い天使 白い悪魔 ?
「ルイー!ご飯だよ〜!!」
「はーい!」
寝床から這い出して、服を着替える。
今日もスッキリと目が覚めた。
「よしっ」
洗顔その他を済ませ、鏡を片手に背中を確認する。
翼は見えない。
1階へと階段を降りて…
「おはようございます!」
「あぁ、おはよう。」
朝食の支度を手伝う。
「ルイはほんとに良い子だねぇ。天使みたいだ。」
「(一応天使だけど?)
ありがとうございます。でも、お世話になってるんだし、これくらい」
コポポ…
紅茶を淹れる。
「当然ですよ」
「ありがとねぇ。」
人の良さそうな初老の女は、目を細めて喜んでくれる。
こんな風に笑ってくれる人、今まで居たっけ?
「さ、食べましょ。」
僕は今、下界に居る。
人間が一杯居る世界だ。
天界から魔界に追放された僕だけど、魔界はやっぱり、僕にとって暗すぎて、何も見えなかった。
おまけに、遠くの方から悪魔らしき声が一杯聞こえて…
(兎に角、少しでも明るい所へ…!)
よろめきながら、微かな光へと歩いていった。
そして辿り着いたのが、下界。
天界は純粋な光。
魔界は純粋な闇。
下界は双方の混濁。
だから天使が魔界に行けば盲目と同じ。だが下界ならば、少々薄暗くとも、目は見える。
そう教わった。
僕は光と闇の境目を見つけ出し、そこに逃げ込んだ。というワケだ。
「ルイ、ちょっとそこのバターを取ってくれるかい?」
この人は、下界に来て途方に暮れていた僕を拾ってくれた人。
名前は『マリア・フェンベル』
僕を本当の子供みたいに可愛いがってくれる。
朝食の片付けをしたら、学校。
「行ってきま〜す!」
「気をつけてね。」
この暮らしにも、大分慣れた。
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