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恋愛譚5

[222]  皐月花  2007-06-05投稿
二軒目はワインボトルの並ぶバーだった。比較的店内は明るく、カップルの姿が目立つ。村山は赤ワインを注文し、私は甘いカクテルをたのんだ。「それにしてもエッチが嫌いなんて、ろくな男と付き合ってないな」村山は赤ワインを口にふくむとグラスをゆっくりと回した。「あんまり深く相手を好きになったことがないのかもしれません。いつも相手から告白されて付き合ってきましたから、私があんまり深く好きでなくても成立したっていうか…」「オマエなぁ〜…俺がその男どもの敵をとってやるよ」そういうとまた少しワインを口にふくんで、村山はワイングラスの縁をジッと見つめた。「手貸してみ?」村山が私の手をとり、指を絡める。「こうやっててをつなぐとカラダの相性わかるんだよ」私は恥ずかしさで村山に顔をむけることができなくなっていた。村山の手を心地よく感じていることや、このままはなさないでいてほしいキモチまでが村山に見越されている気がして余計に恥ずかしかった。村山はそれ以上しゃべることなく、私の手に指を絡め、指で私の爪をなぞるように触れている。「やめてください。恥ずかしいから…」村山はにやりと笑うと、ふいに、村山が私の引き寄せ、手の甲にキスをした。「あ…ダメですよ…みんな見てるし…」上目遣いの村山がふっと微笑み、私の手に何度もキスをする。私は恥ずかしさで胸がはじけそうで、でもキモチよくて、それ以上あがらえなかった。
村山がちらりと時計をみて、「電車あるうちに帰れ」というと席をたち、私の手をひいて駅への道を歩いた。改札までくると、意外なほどあっさりと「じゃあまた明日」と帰って行った。「大人にすればこれぐらいのこと悪ふざけの範囲なのかもなぁ」ぼんやりと考えながらホームに立っていると、突然、誰かに頭を鷲掴みにされた。「きゃっ」見上げると村山が立っていた「見送りにきた」私は嬉しくて笑顔でうなずく。電車が来なければいいのに。村山の手を強くにぎりかえした。滑るように電車がホームに入り、車窓から村山が消えると一通のメールがきた。「もう好きになりはじめてる」

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