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素敵な恋の見つけ方24

[185]  あこん  2007-06-06投稿
「ホラーやファンタジーに走らないように気を付けたい。」
それがひとまずの目標。
俺の名は片桐篤。孤独な夏休みを過ごす高一男子だ。
「片桐、何か買うんじゃなかったのか?」
この目付き悪過ぎる人は田辺和真。一年先輩で顔ほど悪い人ではない。
妹にアイス買いに来てるくらいだし。
「あ、アイスでも買おうかと。」
少しぼうっとしていた俺は、田辺家の妹とは違い某棒アイスを買う。今時こんな丸刈りの少年もいないだろう。
「お、それ美味いよな、俺も買おう。」
同じ物を和真先輩も手に取った。
「あ、どっかで食って行きません?」
「だな。暑い中食うのもいいかもしれない。」
会計を済まし、俺達は近くの公園へ向かう。
ちょうど木陰にベンチがあったので座る。
「…で、どうしたんだ?いつもの片桐と少し違う感じがするが。」
「…え?」
「なんだ、てっきり何か相談事でもあるのかと思ったんだがな。」
この人、何回かしか会った事の無いはずなのに。
「…そんなに、今の俺変ですか?」
「変、というかな。無理に自分を抑えてる感じかな。」
すごい人だ。
他人の事をちゃんと見ている。
「…和真先輩は、確かバレー部の人がなんとか、て言ってましたよね。」
「あぁ、片思い中だよ。とは言え、アプローチなんか出来てないけどな。」
和真先輩は苦々しく笑う。
「フられる、とか考えた事あります?」
「片思いしてる、てのに酷な質問するな。…あるよ、そりゃ何度も。由良に脅された事もある。」
言葉と裏腹に、和真先輩の顔は笑っている。
「…片桐は、その、フられたりしたのか?」
「…。」
無言で肯定を示す。
「…由良ならこう言うな。いつまでもぐじぐじしてないで、さっさと前を向きなさい。ってな。」
確かに、あの先輩の言いそうな事である。
「由良先輩の事、わかってるんですね。」
「そりゃな。伊達に目覚ましやってないさ。」
俺なら、気持ちの届かない人よりも分かりあった由良先輩を選びそうだが、和真先輩は?
「由良先輩の事、好きになったりしないんですか?」
疑問は、考えるより先に声に出ていた。
和真先輩は優しく笑って言う。
「好きだよ。でも、それは友達、親友、相棒。そういったものさ。それ以外の形なんか想像できん。」
和真先輩の傍らの袋の中では、カップアイスが溶けてしまっていた。

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