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素敵な恋の見つけ方25

[186]  あこん  2007-06-06投稿
「真面目路線一直線。」
匠は全てを駄目にする。
俺の名は片桐篤。異性への想いというものがわからなくなってきている。
「由良と違って、その片思いの相手とはさ、もっと近付きたい、て願望があるんだよ。」
自分の恋愛観を話してくれるのは田辺和真先輩。
自分の想いを理解していて、他者の心を理解出来る、すごい人。
「俺は、どうだったんでしょう…確かに好きだったけど、どういった好きだったか、今でも分からない。」
今まで俺は、どういう気持ちで人を好きになってたんだろう。
「好きなら好きでいいんじゃないか?一緒にいたい、て事だと俺は思うよ。」
好きだから一緒にいたい。一緒にいたいから、好き?
「程度の違いはあるけどな。近くにいたい、並びたい。後ろを歩きたいとか、いろいろな。」
何か、抽象的になってきた。
「俺を例にあげれば、由良とは少し離れて並んで歩きたい。白木とは寄り添って歩きたい。そんな感じだ。」
俺は、どうだったんだろう。
要未優には、どういった位置を歩いて欲しかったのか。
「…ふぅ、ちょっとは先輩らしくできたかな?」
アイスの棒をゴミ箱に入れて、和真先輩は体を伸ばす。
「ちょっと、難しいです。」
「そうだろうな。結局は俺の考え方だから。」
でも、わかる気はする。
由良先輩が隣りに並んで、和真先輩と対等に進むという情景が。
「お前も、自分なりの法則とか見つけたらきっと、好き、てことがどういうことかわかると思う。」
見つけられるのだろうか、俺に。
「あ、やべ。妹のアイス。」
和真先輩が持ち上げた袋の中には中身が溶け出してしまった高級アイスのカップが。
「あ、俺が代わりの買いますよ。付き合ってくれたからこうなったわけですし。」
相談料としても。
「…いいよ、妹には世間の厳しさを教えなきゃいけない。」
「でも。」
いいから、と和真先輩は手を振って公園を後にした。

家に帰ってからも、和真先輩との話が頭の中を占めている。
想いの程度。
好きの度合い。
並び歩く関係。
寄り添う関係。
俺の求める、関係は。
ベッドの上でぼんやりと考えていると、俺は自然と眠っていた。

沢山の人々が、俺の目の前を行き交う夢を見た。
並んで歩く者、寄り添って歩く者、前後に並ぶ者、手を繋ぎ立ち止まる者。
その中で俺は一人。
一人で空を見上げた。
眩し過ぎる空を。

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